(架空の)ロボットアニメ次回予告集

呼吸する器具

第1話(放送前予告)~第10話

<1話(放送前)予告>

 罪人。雨。ブラックボックスだらけの試作機。

 温室育ち。理想主義。革命家。仮面。政治屋。保身。

 復讐。未練。イデオロギー。忠節。訣別。戦争屋。

 因果の糸は束ねられた。

 掃き溜めの部隊を巻き込んで、宿命のリールが旋転する。


 第1話『ロールアウト』


 名も顔も知らぬ無数の命。この引鉄ほどには、軽い。




<2話予告>

 戦争は常に善悪の彼岸で行われる。

 正義で敵が殺せるか。道徳がこの身を守ってくれるか。

 死が横溢する戦場で、ヒロイズムなど塵も残らない。

 女に浴びせられた冷水は、戦う者が受くべき洗礼。


 次回、第2話『駆逐』


 大きく美しい理想ほど、砕け散るときの破片は鋭い。




<3話予告>

 変り種がやって来た。名を、エドワード・ローレンス。

 試作機と共に寄越された、彼もまた企業の回し者。

 喧嘩の仲裁から狙撃まで、陽気に笑ってそつなくこなす。

 だが、その背中に隠したものは。


 次回、第3話『同類』


 人の暗部に失望するなど、御門違いも甚だしい。




<4話予告>

 すべては来たるべき御世のために。

 稚さ残す紅眼の天才。名を、アヴェロエス・アストゥリアス。

 理想を掲げ、両手を汚し、生まれ出る超新星の光輝。

 過去と未来。氷と炎。二つの特異点が激突する。


 次回、第4話『エース』


 紅蓮の装甲板の奥、青き誠心の光が燃える。




<5話予告>

 怯懦。姑息。消極。惰弱。

 新たにねじ込まれた戦力は、高性能機と、ずぶの素人。

 他者の打算に利用され、他者の都合に組み込まれ、

 それでも彼は、自らの意思で、この戦場へ足を踏み入れた。


 次回、第5話『御曹子』


 その性質、卑屈。傲慢。そして、秘めたる一握の矜持。




<6話予告>

 美しい薔薇には棘がある。陳腐に過ぎる章句ではあるが。

 事実そこは美しくも危険な、ローザ・フォイエルバッハの戦場。

 描き出すは光のアラベスク。命からめ取る茨の花園。

 幾光年の残り香たどり、劇的なる再会が果たされる。


 次回、第6話『嚇熱の魔女』


 血と炎の赤に染め上げられ、小指に巻き付く運命の糸。




<7話予告>

 脅威の近接転移能力。迫る敵機はまたも新型。

 戦を愉しむ者の哄笑が、無音の宇宙に谺する。

 義を以て立つ革命と言えど、汚れ仕事は必要不可欠。

 敵は殺す。

 叛く味方も殺す。

 処刑王、レッド・ブリッジマン。


 次回、第7話『ウォー・モンガー』


 殺戮さえ、いまや慈善事業。




<8話予告>

 連邦主星、ハル・シオン。そこは今なお銀河の中枢。

 燦然たる鏡の摩天楼に、黒幕たちは影も映さない。

 だが、民主主義の青写真の裏、権力への妄執が渦巻く。

 若き指導者が謳う科白は、亡霊どもの書いた脚本か。


 次回、第8話『アジテーター』


 荘厳と滑稽とのあわいに、開けられた距離は僅かに一歩。




<9話予告>

 人は言う。ニコラス・ノースクリフは、人間ではないと。

 天が二物を与えた男。その異才、もはやヒトを超えると。

 では、彼は神か? ある者は言う。神さえ彼に比せば無能だと。

 神秘の超人。万軍の将。仮面に映すは数多の偶像。


 次回、第9話『救世主』


 その革命、「不可能」なる摂理への叛逆。




<10話予告>

 森の掟に背いたエルフが、求めたのはささやかな冒険。

 命短きヒトの世界を、覗き見るだけの無邪気な好奇心。

 少女は知る。人の世の邪悪を。剣と魔法の世界の秘密を。

 巨人を操り、魔剣を振るう、星の海より来たる使者の名を。


 次回、第10話『孤絶文明圏』


 彼女はそれを魔法と呼んだ。

 男は、それを科学と呼んだ。

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