第6話 一つ屋根の下の事実で眠れない



 寝室は一つしかないが、僕はその寝室を譲ってやるほどお人好しではない。

 なので、シロナにはリビングのソファーで眠ってもらう事にした。


 押しかけている身だという事が分かっているらしく、シロナから特に不満の言葉は聞かなかった。


 そしてそのまま夜になったので、流れで夕食を共にし、当たり障りのない雑談をした後お風呂を進めて、就寝の挨拶をした。


 寝室のベッドの上で、家に女の子がいるという現状を考える。


 ちょっと新鮮だった。


 このオンラインに閉じこめられてから、ずっと一人で過ごすのが当たり前だったからだ。


 というか、美少女と夕食共にしたり同じお風呂入ったりするのって、ラノベの世界じゃん。

 人生で一度もないよ、そんな事。


 仮想のデータで作られたご飯とお風呂だといえ、僕にそんな日がくるなんてね。


 まあ、だからと言って変に舞い上がったり、邪まな気持ちを抱いたりするような事は無いけど。


「眠れねー」


 一つ屋根のしたに女の子がいるって現状がとっぴすぎて、ちょっと中々心が休まらない。


 眠ろうと瞼を閉じても中々寝付けなかった。


 シロナ。

 それなりに可愛かった。


 やっかいな事情を背負ってるらしいけど、見た目は悪くない。


 一人で行動していたのは、男女関係のもつれとかだろうか。

 それか純粋にパーティーとの意見が合わなくてもめ事になったとか。


 よく知りもしない男の家に押しかけるなんて、一体どんな事情があるのだろう。


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