My name is a hero

天崎 瀬奈

プロローグ

「いつかこんな世界変えて誰もが皆笑える世界を作ってやるんだ

 そしてみんなが笑うことのできるそんな世界を作るヒーローになる」


彼奴は口を開けばそんな風に語っていた。

子供のように無邪気に笑ってそう言っていた。

ヒーローとは、弱い立場の人間を助け、救う存在のことを世間一般ではいう。

例えば、警察だとか、教師だとか、彼らは世間一般からすれば正義と呼ばれる存在に分類されるんだろう。

まぁ、あくまでも分類されるだけだけれども。

実際のところ本当に彼らの職業が正義なのかと問われればそれはNOである。

子供の夢を応援して、支えて、歩み寄って、一緒に考えて、送り出して、

大人は頼れるものなんだって、頼っていいものなんだって、

仲間はいいものなんだって、それを教えるのが、学校。教育機関。

いつだって真剣に話を聞いて、何があったのか、疑問点や矛盾点がないか、

調査して調べて照らし合わせて、被害者の心に寄り添って、

正義の味方であるべきなのが警察や裁判官や検事。

そうであるべきなのにも関わらず今現在、どう言った現状があるか。

自分のためだけに、子供の進路を勝手に決め、諦めろ、なんて言葉で

夢をへし折って、血の滲むような努力なんて知らないくせに

先入観のみでそれを殺す教育者。

証拠は?何か起きたんですか?なんて言ってまともに対応せず、

お金さえ積まれれば平気で捜査内容を変える、隠蔽する、

本当に助けを求めている人の言葉に耳なんて貸さず、

「何か起きたら、」なんて言って一蹴する警察。


かつての正義は偽善となった。

自分の欲のために、自分の地位のために、金のために、

そのために権力を振りかざすようになった。



これはそんな偽善に立ち向かおうと奮闘した僕の幼馴染の一夏の物語。

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