罪を通してしか心を通わせることができなかった、双子の物語

まず、拘置所(刑務所)についての情報量が凄まじいです。それだけでも読まれるべき作品です。


刑務官の弟と、死刑囚の兄。厳格な死刑存置論者の弟と、シニカルに執行を待つ兄。

一見、対象的でありながらも似通ってる双子は、死刑という究極の刑罰に全く異なるアプローチをしながら、最後にようやく同じ場所にたどり着く。

罪を償うとはどういうことなのか、……そもそも罪を償うべきなのは、いったい誰なのか。
そして、死刑という刑罰がいかなる意味を持つのか、或いは持たないのかを、考えるきっかけになると思います。