第4話 パラレルワールドを説明する

 俺が理解したパラレルワールドの仕組みを説明する。


 誰かアインシュタインの理論とか引っ張ってきて、それはどうとか言ってください。なまの手触りしかわからない俺です。



パラレルワールドって何?



 俺のパラレルワールドの認識とは、「ちょっとずつ現実を違えたようなパターンの「微妙に異なるバージョンの世界」が存在する」ということだった。


 俺の感覚では、ビリヤードみたいに上手く当てれば、自分のいる場所がすっと入れ替わり、微妙に条件の違う世界の自分になれる、というふうに理解した。ちょうどうまく、欲しい現実に当てに行くのは難しい。


それってどういうことなのか、例えば俺が右に行くか、左に行くか、迷うとする。


で右に行くだろ。右の現実がある。


 でも、同時に左を選ぶ現実もどこかに存在する。そこに意識をしっかりフォーカスさせることができれば、他の現実に自分が存在できる。


そういうことは質量がある限り無理なのかもしれない、阿瀬みちさんがそう言ってた。次元は超えられないと。


 でも不思議なことに、やはり自分の意識を向ける方向で起こってくる現実が変わってしまう。



 〜 パラレルではないが、「こことは別世界」の場所について


 立花隆の「前世療法」という本があったと思うが、ふーんという思いで読んだ。


 実のところ、俺、「死んだら行く世界」に一度、勝手に飛ばされたことがある。


 それと比較したが、まったく同じじゃないな。当たり前か。


 詳しく書くと、誰か俺のことを知ってたらバレてしまうから、書かないけど、(体験した時、その場にいたやつにショックで話してしまってる。俺が見てきた場所のこと)、死んだらどういうとこに行くか、というのを体験した。


 変性意識状態を作り出すのは、比較的簡単だ。睡眠不足とある一定のリズムと、音階の組み合わせ。俺はもう一回行きたいと思わないから、やらないぞ。偶然に飛ばされた。俺は音には敏感じゃないが、びっくりした。


 原始的な社会でシャーマンとかが使うような方法って、有効なんだということを知り、驚いた。勝手に行ったから。酒とかそういうのは要らない。変性意識についての研究をまあ無理矢理、薬でやった学者がいるけれど、実はそんなの全く必要ないと思う。うっかりしたら、踏み台昇降運動でもいいんじゃないか。他、結構何ででも、できるぞ。他の人は絶対にやらないことをやってみると、意識というのは、どんな構造かは知らないが、簡単にスライドする。24時間同じフレーズの音階をそればかり聞き続けるとかな。やらないでくれ。


 聴くものによっては本当に危ないんじゃないか。俺はやらないぞ。悪魔に魂をさあどうぞ、と差し出すようなものに近い。効果がわからないことを試すのは自殺行為。なぜ効果があるとわかったのか、「たまたま」だ。


 まあ、死後の世界というか、体のない世界は、今、俺の置かれてる状況と似ているが、当たり前だが、根本がまったく違う。


 外界に物理的なアクションを自分で起こすことができなくなるから、それは恐ろしいことだ。今、どんなに過酷でも、生きてる方がマシなんだよ。俺はそのことを身を以て知ったから、自殺はしない。


 どんなに過酷でも、外界と接触できる、物に触れられる、人と話せる、外界の物と「物理的な接触可能」なここの方がマシなんだよ。まあ、「孤独」の程度が違う。


 この世界の「孤独」はまだ優しい。砂でさえ手触りがあるのだから。


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