1999.08 BR 長いお別れ
長いお別れ
レイモンド・チャンドラー 清水俊二訳 早川文庫 1976年
REVIEW
私立探偵フィリップ・マーロウはレストランのまえでロールス・ロイスに捨てられた酔っぱらいを拾う。男の名前はテリー・レノックス、大富豪の娘と離婚した男だった。マーロウはその男に危うい匂いを感じとり、自分の家に連れてくる。そしてラス・ヴェガスへ働きにいくテリーのためにスーツケースを預かり、軍資金を出してやる。
テリーが拳銃を手にマーロウの家を訪れたとき、マーロウはテリーの身に悪いことが起きたことを予見していた。マーロウは事情をきかずに車を走らせ、テリーを逃亡させる。
のちにマーロウは警察に拘留される。テリー・レノックスは離婚した妻を殺していた――
マーロウは最後までテリー・レノックスが無罪だと信じ、べつの事件からテリーの事件の真相を暴いていきます。このフィリップ・マーロウの性格がチャンドラーの小説におけるツボだと思います。クールで皮肉屋、そしてメロウ。そんな奴いるか! と思いながらも読んでしまうのは独特な存在感があるからでしょうか。
チャンドラー独特のレトリックや乾いた文体もそれを助長させています。
見所。マーロウとテリーの濃い友情ですが、ほとんど出てきません。冒頭に集中しています。だからといって中間を飛ばすと全然感動的でなくなるという、非常にやっかいな話です。
あと、映画があるそうですが、映画では小説には出てこない猫が出てきます。チャンドラーが猫好きだからだそうです。その猫がいなくなってマーロウが泣くシーンというのを見たくて見たくてしょうがないんですが、その映画が近くのレンタル屋に置いてないのでわからない。どなたかご存知でしょうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます