第4話 膨らんでゆく憎しみと殺気

 誠に蹴られ、俺の頭は亜依斗の足当たった。「うわっ!?きたな~い!俺の綺麗な足をどうしてくれんの?w」と言われたが俺は頭をぶつけたせいで視界が歪んでいて、その質問に答えるどころではない。俺は頭を抑えた。「チッ、なんか言えよっ!」亜依斗はそう言い拳を振り上げた。俺はぼんやりとその光景が見え、逃げようとするが体が動かない。怖い。もうダメだと目をつぶった時、手が振り下ろされたのだろうか?ゴンッと確かにその音は鳴り響いた。だが、殴られたのは俺じゃなかった。いったい誰が..?恐る恐る目を開けると...。「かずや..!!」なんと俺の目の前に和也がいた。和也は「お前が無事で良かった」そう言って倒れこんだ。「嘘...だろ..?」俺は亜依斗への怒りとなぜ和也は俺なんかをかばったのかという疑問しか頭にない。「うわっ。ヤバイっ!逃げようぜっ!」そう言って亜依斗達は教室から出ていった。亜依斗達を追いかけたかったが今は和也を保健室に連れて行くことを優先しよう。さっきはどこを殴られたのか見てなかったけど、頭に大きなコブができている。気絶したことも考えると恐らくここに当たったのだろう。俺は和也をおんぶし保健室へと歩いた。

 保健室を開けると先生がいて、気絶している和也を見たのだろうか慌て出した。「あなたっ!なにをしたの!?喧嘩っ?」そんなことより早く和也を下ろしたい...。重たい...。「あの事情は後で話すんで和也を...」そう俺が言うと申し訳なさそうな顔をしてベットへ連れていってくれた。「よいしょっ..」こうみると和也は俺より身長が高い..。重たいのも当然だった..。「応急措置をするから離れてて」先生はそういってカーテンを閉めた。5分くらいたっただろうか先生がカーテンを開けた。「応急措置は終わったわ。それでなにがあったの?」その問いに俺は正直にすべてを話した。「事情はよく分かったわ。あなたも氷をあげるからぶつけたところを冷やしておきなさい。」俺は氷を受け取って頭のコブの部分にあてた。先生はどうやって察したのか「あなた家庭は大丈夫?」と俺に尋ねた。俺はこのことだけは嘘をつこうと「家族みんな協力して頑張ってます」と言った。「ふふっあなた嘘が下手ね~」と言われた。バレたかな..?「まぁ、もう頭は大丈夫だから帰って休みなさい。」と先生は言うけど授業があるから断った。「いいわ。先生から事情を話すから今日は帰りなさい。」この言葉を聞いて俺はお言葉に甘えることにした。先生にペコリと頭をさげ、保健室を出た。俺は歩きながら亜依斗達について考えていた。俺があの時亜依斗の質問に答えなかったから亜依斗は殴ったのか..?でもそれはあんまりだろ..。ドンドンと怒りが湧いてくる。いつしかその怒りは殺気へと変わっていく。俺は復讐がしたくてたまらなくなった。

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