風が吹き花が咲く

 終わりのない後悔の十字架を背負い続ける人生。へたなホラー映画よりぞっとします。本作の主人公は人生の途中で良識を取り戻したわけですが、物理的には手遅れだったことが文字通りの悲劇でした。そんな主人公に差し伸べられた赦面(しゃくめん)はお話の構造としても演出としても実に練り上げられた内容で、神様も中々に粋な計らいをするものだと感心しきりです。カクテルでいえばソルティドッグのようなお話でした。

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