第2話 最後の

「あの葉がすべて落ちたら自分も死ぬ」

 煉瓦の壁を這う蔦を指さしながら彼女は言った。

 嵐の夜に葉がどんどん散っていくのを見かねた僕はiPadに蔦の葉を描き壁に貼り付けた。

 翌朝、iPadの葉は残っていた。彼女は言い直した。

「あのiPadのバッテリーが切れたら自分も死ぬ」

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