穏やかなる、思考と表現の日々

未夜久

自己開放のための趣味

 自分が思い通りに動ける場を持つだけでも、気持ちの満足度合いは大きく向上します。


 社会では、多くの人がそれぞれ自分の思惑を絡めながら生きています。人々の利害や思惑を探り合い、時には人々はぶつかりあう。人のエゴの海で泳いで疲れる人もいます。


 疲れてしまった時、もしくは疲れてしまう前に「自分の思い通りになる場所」があることは、自分を守るためには大きな助けになることでしょう。似た表現として、「自分の居場所」という言葉が使われることが多いです。それは、自分で維持することが肝心です。自分だけしか入れない場所にしてもいいし、心の余裕があれば、自分が許容する人も入れる場所にしてもいいです。そんな融通の利く場所にするといいでしょう。あまり堅苦しい決まりは作らないほうがいいでしょう。最初は誰かの作った居場所でもいいでしょう。しかし、いずれは自分だけの固有の場所にしましょう。誰かの作った場所に居場所を見出すと、居場所を作った人や居場所の決まりに自分が振り回されてしまいます。自分の心の安定のためにある居場所で心身消耗しては、本来の目的を失ってしまいます。


 自分だけの居場所があるだけで、外でいろいろな目に遭っても「自分には侵害されない居場所があるから大丈夫」という自信が生まれる。自我が保てます。外で抑圧された自分を開放できます。十分に自己を開放することができれば、また周囲の人に揉まれる生活に戻っても疲れにくいでしょう。


 何度も言っていますが、

 他人を巻き込まず、一人で完結すること。

 侵害されない居場所を作るのだから、自分が侵害されないだけでなく、他人も侵害しないことは必須です。

 そのベターな手段が、「何かを一人でやる」ことです。一人でできれば、自分で勝手に始められます。いつでもどこでも手軽にできることで、簡単に自分を守れ、自分を開放できます。


 自己の居場所としておすすめなのは、趣味だ。好きなことに没頭できる。誰にも邪魔されない。自分の「好き」を認めることで、他人の「好き」を認めることができる。穏やかな気持ちが自分を、そして世界を包まないでしょうか?


 もちろん、趣味以外で自分を守れることがあっていいです。

カラダを鍛えること、外を散歩すること、一人でタスクを完結すること、美容院に行くこと、外でお茶を飲むこと。

 趣味ではなくても、一人で完結することが大切。

 

 幼子を抱える母親であっても、一人でなにか事を成し遂げることは大切であり、むしろ必須です。幼児という、他者をまだ認識できない存在を一人の人間に育てるには、心の余裕が必要です。また、幼児が自分を、他人を認められるような存在になるには、育てている母親自身が一人の侵害されない人間であるということを教える教材になる必要があります。愛情を受ける権利もあるが、侵害されない権利もあり、侵害しない義務もあります。人との距離のとり方を、自分と他人とは別の存在であることを、小さいうちから学んでおく必要があります。

 母親が家庭以外に居場所がある人間であることは、ある程度大きくなってからの子供にとっては安心材料になります。家族に依存した母親だと、とにかく子供にかまってしまいます。母親が、自分の居場所を守るために、他人を平気で侵害できる人間になってしまいます。愛情の名のもとに、他人を平気で侵害できる人間が、独立した人間関係を構築できるでしょうか?

 結果として、親と疎遠になったり、逆に親から離れられず、自分の人生を奪われてしまいます。これらは、いずれも幸せではありません。


 これが、母親が趣味を持つと、

子供が違う趣味を持っても尊重できる

(あまりに価値観が違って受け入れられない場合もありますが)

子供の自我を認めることができる

子供も母親が別の自我を持つ人間と認識できます。

 自分と他人の区別がつけられる。反抗期を経ることもなく、自分とは何か?をつかみやすくなります。最近は、大きな反抗期を経ることなく、ほどよく距離をとりながらおとなになりつつも、家族関係が良好な例もあるようです。


 そんなわけで、趣味でもいいし、好きなことでもいい。それを守れる場所を、侵害されない場所を作りましょう。

 

 

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