第14話 帰りたい、のに帰る場所が思い出せない

「怖がらないで、私たちも休みたいから」

 小屋の先客は女の子と狼獣人だった。本当に襲う意志が無いようで背を向けても一切殺意を感じなかった。少しは信用してもいいらしい。

「ありがと」

「お礼はいいわ。でも質問」

 彼女は体育座りに顔を埋める。

「帰りたい、のに帰る場所が思い出せない。あなたも?」

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