BARにて

大きく言い争ったせいで、ひどく喉が痛い…イガイガする…。


「まぁ、ピリピリするのは明日からにしよう。」


「すみません…取り乱してしまって…。」

会議の帰りはすれ違う人がみんなこっちを見てくる…。あんだけ騒げば当たり前か…。


視線がイタイ…。


「ハハっ、気にするな。そうだ…このホテルの中にBarがあってな、美味いカクテルがあるって有名なんだ。」


「…カクテル…ですか?」


「あぁ、そこで世間話でもしながら一杯どうだ?」


お酒か…うっかり飲みすぎちゃいそうで…嫌だな…。


俺の不安が見えたのか、矢間根さんは俺の肩に手を置いて、俺の耳に顔を近づけた。


「フッ、飲ます気無いから安心しろ。」

「…え…?それってどういう…ッ?」


矢間根さんは、俺の唇に指を置いて、優しく微笑んだ。



…俺の背後に噴火寸前の男が立ってるなんて…気がついてなかった……。

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