天使とおっさん

おい、誰だ、おっさんって言ったの!!

ったく若いのはデリカシーが無くて困る!!←だってオッサンじゃん



グダグダに酔いつぶれた西島はしゃっくりをあげながら、机に突っ伏してしまった。


「おい、苦しいだろ…顔あげてな…」


「Zzz…。」


寝てるし…!!

営業先の部長の前で、こんなに砕けちゃダメだろ~?


本当に変な奴だな。



俺は西島を抱えてタクシーに乗った。

でも、どうしようか…こいつの住んでるところわかんねえぞ?


「この子また酔ったんだね~ハハハ!!!!」


急に運転手に話しかけられて、ギロりと睨む形になってしまった。


「まあ、そんなに怒らずとも。この子ね、こないだも後輩君だかと飲んでぐでんぐでんに酔っ払っちゃってね…吐かれ無いようにそっと動くの大変だったんだよ…。」


「…そうだったんですか…。」


「で、この子のおうちでいいのかな?」


「あ、はい。…お願いします。」

「あんたは、その子のお偉いさんっぽいから、安くしとくね。」



「…ありがとうございますッ!!」


意外といい運転手に当たってラッキーだったな…。


西島、お前…意外と恵まれてるぞ?



鍵がどこにあるかは分かんなかったから、大家と書いてあった部屋をノックした。


「…はい?」

ガチャ


「あ、大家さんっすか?この子…酔潰しちゃったんで、お願いできますか?」


「え?…」


「できれば鍵開けて頂けるとすぐ終わるんっすけど…」


俺は丁寧に経緯を説明しながらうまーく帰せるように、促した。


「あら、そういうことね?もちろんいいわよ?」


おお、うまくいった…。




ガチャ

「はい、いいわよー。」


俺は西島を抱えていて動けなかった為、ぺこりと首だけ下げて、部屋に入った。


案外広い部屋だな…寝室と分かれてるし、いいとこ住んでんだな…俺なんか狭いアパートに一人暮らしだってのに…。



「…ん…。」


起きたか…?


俺が顔を覗くと気持ちよさそうに眠りについていた。


呑気な奴め…。


バフッ

西島をベットに寝かせて、俺はそそくさと帰ることにした。


西島(天使)と一緒にいるなんて、体が持たない…いろんな意味で…。


何?平気だろうって?いや、俺だってまだ性欲の一つや二つあるんだからな…全く…。

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