第9話「ファン心理」

まさかのビッグウエェーブから話を広げた。


でもまあファン心理の話って面白くて、ファンっていうのは何が正常なのかをはかるのは難しい。


もはや古い話ではあるが、川栄をのこぎりで襲ったファンは何だったのだろうかと思いだす。


 そこまで思い詰めてしまう気持ちは、「ひさしぶりにメインちゃんのライブだったにもかかわらず、1時間以上遅刻していき、あげく、しめの曲が終わるとともに、誰よりも早くライブ会場を離れて、バーレスクTOKYOに向かってしまった」俺にはかけらもわからないのだが……。(そもそも俺はファンだったのだろうか)


 まあそれはそれは熱い情熱だったのだろう。


 だってねいくら好きだからって、相手を傷つけようっていうのは相当な能動的な欲求なわけで、普通はもっと手前のところでファンという地位を楽しんでるわけよ。


 多くのファンは、かなりの手前のところで楽しんでる、それが俺のファンの定義で、もし、その定義をこえてしまうと、アイドル業はそれが成り立たなくなってしまう。俺はそんな風に思う。


 ただ例外はある。


 秋元はそういうのをわかったうえで、やってるんだろうけどね。


 それにしても川栄は成功したなぁ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る