第28話

「最近何気に壁ドンって流行ってないらしいわね。」


お嬢様の何気ない一言で屋敷中が固まる。


「え、お嬢様そういうのがお好きで…?」

「お姉ちゃん本気…?」


蓮李様とわたくしの声が重なる。お嬢様はいやいやと手を振り


「違うわよ、ドラマでそういうの観ないなって思っただけ!」

「お嬢様の場合気になってるという線も有り得ますからね」


うんうんと孝太と蓮李様が頷く。そういえば、昔壁ドンがという話をお嬢様から聞いたな…


「それでさ、新しいドン!を作らない?」


新しいドン…まさか!


「お嬢様、まさか丼店を開くということでしょうか…?」

「そっちじゃないわよ!」


それじゃ…ない?じゃあ一体なんだ…


「はいはーい!蓮李分かった!丼店の新メニューを考えてあげるんだね!」

「あんた達…マジで分からないの?」


わたくし達は顔を見合わせて一斉に

うん

と頷いて


「あのね、壁ドンがあるでしょ?あれの新しいの考えれば流行るんじゃない?」

「え………お姉ちゃん誰かにやってほしいの?」


蓮李様の言葉にギクリとするお嬢様。これは図星のようですね。


「ふっ、俺に任せてください!孝太、参ります!」


ダッ、と元気に走って外に向かう。そして…


バッファローを連れてきた


「は?え?何事なのよ!」

「お嬢様~、牛ドンです!牛丼じゃあありませんよ!」


お前、ボケかよと突っ込む暇もなく孝太がバッファローの上に股がろうとすると…


「うわぁぁぁっ、暴れないでよっ」


バッファロー、暴走。部屋のものがガシャンガシャンと壊れ…お嬢様にこってり怒られてました。


「えーと、気を取り直してわたくしは…格闘技ドンです!」


バァァァン


「お嬢様、どうでしょう?」

「あんた達、最悪よ…」


壁の前にお嬢様を立たせて壁に回し蹴りを入れました。ちなみに壁は…


破壊されました( ;∀;)



「いい加減にしなさーい!!!!」


お嬢様の罵声が飛んでわたくし達二人とも外に放り出されました

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