第22話

「ねぇ隼人、この間私の買い物に付き合うって約束してたのにすっぽかしたわね?」

朝食用のフライパンを片手にお嬢様に怒られる雰囲気になる。

黒部 隼人、この大金持ちの屋敷の執事。このわがままなお嬢様は北条 麗奈。わたくしの主人です、はい。つい3日程前にお嬢様から買い物に付き合えと言われましたが完全に忘れて放置してしまいこのありさまですよ。


「さぁ、たーんとお仕置きをうけて貰おうかしら?」

「まさか…フライパンで殴られるなんてことは…」

「あ、それいいわね」


墓穴掘ってしまった\(^^)/


「私がフライパン持ってることに何か気づかない?」

「熱々のフライパンを押し当てられることですか?」

「私は鬼か何かなのか」


袖まくりしてエプロン姿…むむっ、これはもしや…


「毒入りパンケーキですね!?」

「阿北か!」


スパーンとフライパンで頭を叩かれる。正直に言いましょう、痛いです。それもかなり


「大量のパンケーキを全部食べなさいよ!」

「無理です」


わたくしは大食いか何かですか?


「この中のどれかにタバスコ入り激辛パンケーキがあるわよ」

「ロシアンルーレット!!」


「起きろぉぉぉぉっ」

スパーッンと痛々しい音がして目が覚める。ちなみに痛々しい音はわたくしを叩く音でした、とほほ


「さぁこの間私の約束をほっぽった罰として…」

まさかの正夢!?

「わかりました、大量のパンケーキですね?」

「そんなにパンケーキが食べたかったの?」

「いえ、無理やりお嬢様にパンケーキを大量に食べさせられる夢を見たので」


ふふん、と鼻で笑うお嬢様…嫌な予感しかしない


「そうよ、このパンケーキ全部食べなさいよ!私の手作り!」

「お嬢様の手作りなんてきっと死ぬほどの味ですよ!!!!死にますよこんなに沢山!」


机2つ分は余裕にあるぞ…前にお嬢様の手作り料理を食べた後に瀕死になったことを思い出す…


「失礼ね、この馬鹿執事!!!!」


パーンッ


フライパンに飛ばされて宙をまいました。

※ちゃんと全部食べました

コメディ小説なので飛ばされても全部食べても死にませんでしたが、最悪な気分ですよ…

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