第9話

麗奈編

「麗奈、今からどこに行きたい?で、ございます。」

私の隣に座っている執事の隼人は私のデート(練習に付き合ってくれている)のため、名前で呼んでタメ口にすると言い切ったが…タメ口に意味わかんない敬語まで混ざってる。

「なにそれ、ちゃんとした日本語喋ってよ!」

「わたくしにはやっぱりお嬢様をタメ口でしかも呼び捨てなど無理でございます!」

全く、ダメ執事なんだから…つかえない!

「もう!デートで大恥かいたら隼人のせいよ!」

ビシ!と指を突き立てると、

「お嬢様!わたくしは女性の心などわかんないのですよ!?」

はぁ、執事なんだからしっかりしてよ…

「お嬢様、ここのカフェはどうでしょう?」

そこはおしゃれなカフェだった。ってここ猫カフェ!?

「流石執事!私の好みわかってるぅ!」

ベシベシと隼人の背中を叩きながら言うと

「お嬢様、暴力的になるのはおやめに!」

と、顔を引きつらせて言う。失礼な!隼人のことはほっとこ!そう思い中に入ると

「わぁ、可愛い!!」

沢山のちび猫がいた。コロコロしてて、なんて愛らしい!

「キャーッ、可愛いぃ♥」

「お嬢様、誠に失礼ですが、スノーフラワーはお嬢様が他の猫とたわむれたことに嫉妬しますよ?」

はっ、まさかこいつ…

「スノーフラワーに嫉妬される私が見たかったからここに連れてきたのでしょう!?」

「それもありますが、わたくしはお嬢様のデートの練習に付き合うために来たわけですし、やはりカフェのほうがいいかと」

くっ、それもあるとかどんだけ悪趣味なのよ…はっ、猫カフェメニュー、猫サンドとか美味しそう…

「すいませーん!この猫サンドください!」

その猫サンドが届いたときには興奮が抑えられなかった。だって、だって!

「サンドから猫が出てきてるみたいで激かわ!」

かわいい!もう、ここの猫ちゃんもこうやってサンドしたい…!

「お嬢様、ここの猫はサンドしてはだめですよ?そんなことしたらお嬢様の腕力で猫が全滅してしまいます。スノーフラワーがお嬢様に抱かれていてよく骨が折れてないなとわたくしは感動しておりま…ぐふっ」

「余計なことまで喋り過ぎだっての馬鹿執事!」

隼人の口にサンドウィッチを突っ込んだからあとの言葉は消えたけど、カフェの中のムードがめちゃくちゃじゃない!

「お嬢様、今のは窒息死してるところでしたよ…」

「勝手に窒息死してなさい」

冷たく言い放つが、内心こんないいところに連れてきてくれた隼人には感謝してるのよねぇ…

「さぁ、楽しんだからそろそろ帰るわよ!」

「ふふっ、わかりました。お嬢様がスノーフラワーにどんな顔をされるか楽しみでしょうがありません。」


その後、スノーフラワーにそっぽ向かれて無視された私なのであった(泣)

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