第6話

本日はお嬢様の誕生日。私は今日は休みの筈でした。まあ、昨日あんなことがあった側から一人にさせるだなんて心配で来てるのですが。

今日の主役の筈のお嬢様は一人寂しそうに大きなリビングにあるテレビを黙って見つめている。

「…今日は誕生日パーティー無くなったの。」

小さくお嬢様は呟く。お父様からのしばらくは人との距離を置くようにと命令があり、パーティーは中止。大きな屋敷で二人、寂しく誕生日会だった。綺麗な装飾は余計寂しく感じるばかり…

珍しくしゅん、と静かにしている。黙っていれば綺麗なのに、だなんて私が言っていたことはお嬢様に言わないでくださいよ?クビにされてしまいますから…


「ハッピーバースデートゥーユー」

歌いながら、大きなケーキをお嬢様の側のテーブルに置く。チラリと私の方を見るお嬢様。

「…ありがとうね」

しんみりとした空気。

「お嬢様、誕生日おめでとうございます。」

ピンクのリボンで飾り付けられた籠を手渡す。無言でお嬢様がカゴを開けた瞬間、顔色が変わって…

「なんて可愛いの…隼人、あなた天才!!」

そういい顔をほころばせているお嬢様の手に抱かれているのは一匹の真っ白な子猫。目は黄色で何事なのかと周りをキョロキョロしている。どうですか?ずっと迷いに迷ったプレゼント。素晴らしいと思いません?

「本当にありがとう!素敵だわ!この子猫になんて名前をつけましょう…そうだわ!雪のように白く、輝く花のようになってほしいからスノーフラワー!」

どうよ!とでも言いたげにドヤ顔のお嬢様。ふふふ…なんだか妹のようですね。

「お嬢様、ハッピーバースデー、でございます」

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