《弾き語り》はかく語りき

弾き語りはかく語りき
出逢いがあればまた別れもあり、別れてもまた出逢いが訪れるものだと。ふたつは縦横織りなす糸の如きもの。《花》なる童女は父親と別れ、青年に出逢う。その後は誰と逢い、別れゆくのか。

弾き語りはかく語りき
生贄という因習は誰が為か。神とは誰が為か。
喋れぬ童は生贄に選ばれた。其れを助けようとしたのは父ならず母ならず、兎であった。兎は童の為にみがわりを願い出る。なればこそ、童は誰が為に動くのか。

弾き語りはかく語りき
蠱毒壺なるものがあった。この壺に悪態、陰口、侮蔑などを吐きだせば、悪しき想いは封じられる。暗い感情を腹から出し、壺に封じれば、こころ穏やかに暮らせよう。しかしながら、この壺のなかは如何になる?
割れば、なにが出づるのか。如何なる猛毒が溢れるのか。

なんとも不可思議な節をともなって語られる昔噺の数々。
時に切なく、時に優しく、時に恐ろしい。それらは昔、子どもの頃に、枕もとで聞かされた寝物語のような懐かしさをともなって、あなたの胸に響くはずです。
弾き語りの朗誦する物語を、まずはひとつ、紐解いてみてはいかがでしょうか?