7話 答えを求めて Aパート
「やっぱり、おかしい」
シートベルトを
「どうかした? ジュンヤくん」
ツバキは、長い髪をうしろで結んでいる。服は白い。シートベルトが押さえているのは、いつものスーツではなく空手着。見る者に妙な違和感を与える。
「黒い
「え? えーっと。私に言われても」
表情を曇らせたツバキ。苦笑いをするばかり。
「
「
歯切れの悪い女性が黙ってしまった。少年が
『全部、上からの指示さ。知っていることは少ない』
エイスケが言った。ジュンヤの眉に力が入る。まだ、少年は質問していない。
「あの黒いやつは、なんなんだよ」
『
ジュンヤは、ペジ・タイプジーを思い出していた。黒いソーグのような姿を。チップを使って灰色に変わったことを。シグスの力を。
メタリックな灰色の自動車が止まった。二人が降りる。
建物の中。白い大きなドアが開く。
ひろい部屋の中で、ソーグに
空手着のツバキが構えた。同じように動くべく、真似するソーグ。なかなか、うまくいかない。白と赤が
べつの部屋で、エイスケは暇そうにしていた。解説することがないためだ。
二人が礼を言った。
ジュンヤが、建物の外に出た。夕暮れにはまだ早い。少年の表情は晴れないまま、その場をあとにした。
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