第6話光合成できる馬と都市

俺の村は辺境なので、行商人が二か月に一度村に訪れるくらいだ。

なので、アシュリーが乗った馬車は、久方ぶりの村への来訪者だったわけだ。


 俺のいるこの世界は、まだまだ、文明が発達してなくて道などは全然整備されていない。

 いや、もしかしたら、都会の方は違うのかもしれないが、辺境の俺の村までは少なくとも、道は整備されていなかった。


 このことが幸いして、地面には、馬車の轍の跡が残っていた。

 俺は、この轍の跡を追ってアシュリーの後を追うことができた。


 しかし、村から飛び出してから、結構な時間がたったが、一向に馬車が見えてこない。

 俺は、焦っていた。


 轍を追っていると、とうとう、夜になってしまった。

 俺は、一旦、馬から降りる。


「クソっ、どうすればいい。考えろ、考えろ」


ストレス過多すぎて、独り言が多くなってきたことにも、気付かず、俺は、一人で試行する。


「まず、馬に乗ってる俺が馬車に追いつけないのはおかしい。普通に考えれば追いつくはずだ。あ!たしか、あの馬車には馬が六頭で引いていた。だからなのか?でも、周りにいた、護衛の馬に乗った騎士たちのスピードに馬車も合わせるはずだ、なんでなんだ?」


焦りで普段は独り言を言わないのに、ぽろぽろと考えてることが口に出てしまう。


「いや、考えても、埒が明かないことはある。今は、村から一番近い城塞都市に行き、そこで情報を集めるべきだ。よし、そうしよう」


再び馬に乗り、城塞都市に向かう。




~~~~~~



暗闇に覆われいた空から朝日が草原の端の地平線から差してきたころ、俺は、城塞都市の門の前についた。


日本にいる時は、夜更かしなんて余裕でできたが、転生してから、十五年も規則正しく生活してきたので、さすがに眠気がすごく、門の近くの木の下で休むことにした。



~~~~~~



「おいっ!起きろ!」


「ふぁぁああ!?」


いきなり大きな声がして、起こされたと思うと、兵士が俺と馬を取り囲むようにして槍を向けていた。


「おい、お前!この緑色のゴブリンの亜種のような馬は、お前の馬か?」


「はっ、はいそうですが」


「このようなわけの分からぬモンスターを連れてくるとは怪しい奴め、一緒に詰め所まで来てもらう」



そうして、俺は連行された



~~~~~~



「お前はどういった目的で、この都市に訪れた?」


俺、現在尋問中。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る