厳しい冬とアラスカンマラミュート


 アメリカ中西部の冬は厳しい。


 11月から4月まで雪が降りその間ほぼ氷点下だ。慣れとは恐ろしいもので、0度前後だと寒さを感じなくなってしまった。


 ただし、家の中はセントラルヒーティングシステムでトイレも階段もお風呂も同じ設定温度にできる。冬は外は大雪でも家の中は24度設定にしてあり、人間はTシャツとショーツで、猫たちも大股開きで眠れる温度だ。


 猫たちはずっと完全室内飼いなのでLAの暖かさもオハイオの寒さも知らない。一度雪の日に外を見せたら、あまりの寒さに走って逃げて行った。


 さて、我が家は猫大好きではあるが犬も好きだ。


 猫派か犬派かと聞かれたら猫派ではあるけれど、家族皆犬も大好きで、特に好きなのはハスキー犬とアラスカンマラミュートだ。


 オハイオの大雪。シベリアの犬たちにはぴったりな環境だと思う。毎年大雪の頃かなり落ち込むのだけど、犬と遊んだら楽しいだろうなーと妄想に夢中になった。


 犬を迎えるにはシェルターが良いとずっと思っていたけれど、大事な猫が2匹いる。やはり子犬から一緒に育つ方がいいのではないかと思う。大型犬だと特に怖い。子犬限定となるとシェルターから見つけるのは難しいかもしれない。


 ハスキーやマラミューの子犬はむくむくコロコロしてそれはそれは可愛く、ネットの写真を見るたびに鼻息も荒くなる。夫と息子がネットを見て

 

 「ふあ~うふふ~うわあ~」と興奮していたので「いやらしい何かか?」と思ったら子犬の映像だった。それから夫はカピパラがお風呂に入っている映像もほほを赤くしてニヤニヤとずっと見ていた。


 健全な男性として大丈夫だろうか?と心配になる。


 そのくらい皆動物好きなのだが、大型犬を飼うにはまだまだ準備が必要かなと思う。


 今でも例えば2週間程度の旅行に行く場合もペットホテルに猫を預けていく。2匹で1日で40ドル。10日として約4万円かかる。そこは犬も預かってもらえるが、散歩や遊び時間もかかるので、料金も跳ね上がる。


 普段の運動量もそうとうなものだろう。裏庭があるけれど、それだけではとても足りない。アメリカにはドッグウオーカーと言って犬を散歩させる仕事がある。ただの散歩ではなく走りこむようなこともやってもらうには、別のトレーナーが必要かもしれない。


 医療費もとんでもなさそうだ。今度ファット先生に聞いてこよう。


 犬も猫も昔と比べて寿命も延び、治療法だって多くなった。そして保険がきかない動物の治療料金は高額になるだろう。


 動物を飼うということは家族が増えることだ。最後の最後まで責任をもって飼うことは最低条件だと思うのだ。


 予算のことを考えると、雪の中で転がって遊ぶマラミューとの妄想も少ししぼみそうになるけれど、時期が来たらぜひ家族に迎えたいと思っている

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