アイドルグループメンバー女子高生強制わいせつ事件の本質


 今、一番世間を騒がしていると言えばアイドルグループメンバーY氏による女子高生強制わいせつ事件だろう。


 この事件に関してもネットや世論では様々な議論が行われている。


 被害者の方には申し訳ないが、この事件そのものはそこら中にあるようなものなので、問題の本質を見抜くには様々な要素を排していかねばならない。


 何故これほどまで大問題になったかというと、加害者が人気アイドルグループのメンバー、被害者が女子高生、自宅、泥酔状態と世間が騒ぐに値する要素が盛り盛られて数え役満になってしまったからだ。


 事件の問題自体はY氏が無理やり女子高生に口付けしたこと。


 詳しい状況はわからないが、ビジネス的なことではなくプライベートとしてY氏が女の子を自宅に招き、その上で女の子がキスをされたということであれば、それこそ数いる芸能人の中にはかつて類似するような行いをしたものも少なくないだろう。相手が未成年でないことを加えればこのような酔いの席でのオイタは多々あったに違わない。


 ワイドショーなどでは芸能人が色々とY氏へ避難の言葉を投げかけているが、雛壇に座るゲストの中にも、役満まではいかなくとも倍満、跳ね満程度の似たような失態を経験した人が数人いてもおかしくない。


 芸能人のコメントの中には『女子高生という子供を相手にしたのは理解できない』と言ったような非難の声があるが、この問題を突き詰めていくと、相手が女子高生でなかったらOKという類の話にはならない。


 そしてキスをしなかったら良かったというわけでもないだろう。 


 つまり、この問題の本質を突き詰めるには『わいせつ』や『女子高生』という要素を排すべきだと考える。


 端的に言ってしまえば酒癖の悪い人が泥酔してしまえば大なり小なり何かやらかす。やらかしたとなれば、わいせつにしろ暴言暴力、大抵何かしら法に引っかかる行いになる。

 

 Y氏は少なくともキス以上のことは強制的に行わなかった。もちろん女子高生が隙をみて逃げ出さなければどうなっていたかわからないが、それでもキスの時点でそれ以上に至らなかったのは多少なりともY氏に理性が働いたのだろう。

 

 もし酒が入っていなければ更に理性が働いてキスにも至らなかったと考えるべきだと思う。


 男の3大欲とも言われるように、酒、博打、女、で人生を棒に振ってしまった人は多い。


 飲酒運転に置き換えればわかりやすいだろうか、酒は少量であっても人の判断能力を低下させる。泥酔ともなればなおさらだろう。


 ニュースやワイドショーで取り上げられて大問題に発展するのは、その情報がリークされたり逮捕が切っ掛けになり表に出るからだ。そもそも、個人個人の問題が全て表に出てしまえばどれだけの数の芸能人が活動を自粛しなければならないだろうか。


 不倫騒動にしろバレていない、表に出ていないことものを考えればもの凄い数だと思う。『Gを一匹見たら百匹いると思え』というのと同じこと。


 この手の問題にしても、示談や内々で処理されて表に出ずにのうのうと芸能活動を続けている人が相当数いるのは間違いない。


 この問題の本質を正しく考えるならば、この事件を『前代未聞の問題』と捉えてはいけない。人は酒が入ると判断能力を失い、欲を抑えられなくなるものだと認識することが必要だ。


 敢えて未成年への問題に焦点あてるならば、加害者は極力未成年のいるところでの酒は控えるべきで、未成年の側も相手に酒が入っていることがわかった時点で警戒すべきだ。


 特に今回は夜の自宅に招かれたということで『酒が入る可能性』を察知しやすい。


 加害者を擁護するわけではないが、事件の回避を考えると保護者であれ友人であれ、説得や多少の忠告でもあれば自宅にいかなかったかもしれないし、行為が行われる前に逃げ出せたかもしれない。


 少量でも酒が入った人は怖い。泥酔した人は何をしでかすかわからない。それくらいの認識が必要なのだ。


 加害者側で言えば酒で人生を狂わせた人は多い、被害者側にしたら相手の酒乱で被害を被った人が多い。


 この問題の本質が酒の怖さを改めて考えるべきものにあると私は思う。

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