第3話 えーー! 陸?

ちゃっぽん、ちゃっぽん、ちゃ・・・ 


 どんどん魔力を込める、すると面白いくらい繋がったり切れたりして、いろんな有機物が増えていく、こりゃあ楽しい。


 夢中になっていじっていると、ふと陸地に人影が見える、すると見事な土下座姿に、あれってひょっとして【世界の管理者】とか言ってたお姉さん、また何かやらかした?


 何を話しているのか分からないが、お姉さんがしきりに謝っていることだけはうかがえる、陸にいるという事は、今度は陸地に転生させてしまったってことだよね、そっと陸地に向けて、


「ステータスオオプン」と唱えると、


名前:無

種族:魔王

職業:陸

属性:地

HP:2166542382

MP:1894523761

スキル:魔眼 魅了 腐蝕 毒 衰弱 呪縛 即死

魔法:地


 えー魔王、たしかに前世で勇者だった自分が負けたあの魔王だ、まさかあれから魔王は誰かに討伐されて、またお姉さんの転生ミスで、職業:陸にされて、ここにいるてこと、しかし種族は魔族だったはずなのに魔王にかわってるし、スキルは物騒なやつてんこ盛りだし、魔王はこっちに転生してもやらかすつもり丸出しだ。


 しばらくすると、お姉さんは魔王と話が付いたのか、速攻でいなくなった。


 すると、魔王はこちらに気が付いたのか、こちらに魅了とか毒とか死とか呪とか物騒なイメージを、ばんばん飛ばしてくる。


 ぐっ、殺される・・・・


 あれ? 何も起きない、魔王は盛んに海に向かって必殺スキルを飛ばしてくるが、何ともない、おそらく魔王のスキルは闇属性だから、魔法と属性が地になってしまったため、効果が激落ちしたのかも。


 スキルがきかないことを悟った、魔王とにらみ合いが続く、うーん気まずい、いたたまれない、前世の記憶では、魔族との対話は全く成功したことがないらしい、そもそも言葉がまったく通じず、いろんな方法で接触を試みたけどことごとく失敗したらしい、魔族自体の生態も全く謎で分からないままらしい。


 すると今度は地魔法で岩やら砂やらを、どかんどかんと海に向かって打ち込んでくる、普段から岩や砂はどんどん海に流れ込んでいたから今更、魔法で打ち込まれても何ともない。


 こっちも負けずにウォールボールやウォーターウォールを陸に向かってぶちかます、どんどん陸地が浸食され、くぼんだり、えぐれていく。


 魔王が涙目になっていく、なんだかいじめっ子になった気分で戸惑う、相手は魔王だし、向こうから始めたんだし、前世の自分はあいつに殺されたんだし、と思うんだけど非情になれない、この辺でやめておこう。


 どうやら魔王はこの大陸だけらしい、ほかの陸地を覗いても何の反応も無い、大陸が移動して、くっついたり分裂したらどうなるんだろう、大陸や島が全部魔王になったらいやだな。


ちゃっぽん、ちゃっぽん、ちゃ・・・

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