港の街の過去と未来とゲーム

空が燃えてるみたいに見えるねって、そんなの灰が落ちてきて大変。ばたばた駆け回ってばっかみたいな私を横目に、地面が嘆いてるみたいに見えるねって、そんなの気を使って歩けもしない。じっと立ってるだけでも踏んでいるのにばっかみたいな私を横目に、山が咆哮してるみたいに見えるねって、そんなの鼓膜が破れちゃう。耳をぎゅっぎゅと押さえるばっかみたいな私を横目に、海がカップに注がれてるみたいに見えるねって、そんなの溢れて大災害。うきわを急いで膨らますばっかみたいな私を横目に、なんてことない公園で見る、神戸の街の創世記。

[てんし]

[らっぱ]

[7]

そんな名前をRPGゲームのキャラクターにつけてみても、朝焼けにラッパの音色は響かなくて、ただ海に落ちていく山からの颪に混じる灰が地面を汚してほしいと願って、最後のキャラクターに、

[ ]

なんて名前をつける?

その時に、どこかからラッパの音色が聞こえた気がしたけど、よく考えたらラッパの音色なんてどんなものかよく知らない。

でも、音色を知っている事が、どれほど重要なのか、まずそこから考え直さないと、神戸はまた、海と山と空の間で、佇んである。

どこかの学校のチャイムがあわさって1つ、2つ3つ。4つ。5つくらいになるともう1つめの音の反響かもしれないと疑う、街の全景を。

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