の声。

ひかりが訪れる前の、闇。闇と呼ぶにはいささか心許なく、でも、あなたは闇だろうと意識しなくても、闇に変わりはない。

ひかり届かぬ部屋。


 ノックすら悲鳴。

 ノブに感電して悲鳴。

 のんのんと暮らすものを憎む。


不躾なひかり、闇を駆逐して清々しく清々しく、笑顔ひかり。

ひかり強く強く。

私はどこにいけばいいでしょうかという声を嘲笑する。

さみしげなまま立ち去るもそれはあなたそのものにしか見えないとは思いませんか。


 ノートに記す、

 ノクターンの調べ、

 のんきに娯楽をたのしんで。


闇っていくつも色があってさぞ美しく、思うのはおかしい? といったのはいつの事だったかな。あの時もあなたの嘲笑を受けて、ばかと思ったのはまだゆかいな頃だったかな。


 のっそりと、

 のらりくらりと、

 のどかに呑む酒のあじを。


おはようとさよならのせめぎ合いの、ひかり、あと、闇。

それでも私は闇を応援したいと思うのはなんでなのでしょうか? 嘲笑? いいえ、そんな生半可なものではなくて。

どうして理由なんているのでしょうか? 嘲笑。ばか。おはよう。さよなら。

 ひかりが訪れた、後の、闇。

 美しい闇、

 の声。

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