戦国転生 馬鹿と猿の奏鳴曲(ソナタ)
ももち ちくわ
第1話 ー時転の章 1ー びっくり 戦国時代にやってきました
俺の名は
俺は卒業式を終え、家までの帰り道にある神社に寄った。そこで、4月からの新しい生活に関して、願い事をしたのである。
「神様、仏さま、天使さま。どうか、俺に素敵なキャンパスライフをください!」
そう願った瞬間、急に目の前が暗くなり、世界が反転していくような錯覚に陥った。そして、俺はたまらずその場で倒れ込んで眠ってしまった。
どれくらい眠っていたのだろう。目が覚めたとき、そこは先ほどの神社であった。いや、正確には神社だけがそのままであった。神社の周辺は変貌していた。
「おいおい、なんで、みんなぼろい和服の着物なんて着てんだ。それに家々もほったて小屋みたいなぼろっちい木造の家だらけだ」
周辺の変化についていけず、俺はおろおろと周りを見ていた。すると後ろから声をかけられる。
「おい、そこの面妖な恰好をしたやつ。お前はなんだ。南蛮人か?」
声がするほうを見ると、そこには神主の恰好をした歳は30といったところだろうか、青年が怒声をあげる。
「ここは神聖な場所だ。貴様ら、
「出あえ、出あえ。この不埒ものをだれか追い出せ!」
「おいおい、なんだっていうんだ。どっからどうみても、おれは普通の高校生だろ!」
「コウコウセイとはなんだ。面妖な言葉をつかうやつめ。ええい、はやくつまみ出せ!」
神主の部下と思われる、手に薙刀をもった男たちが迫ってくる。コスプレとは思えない。どうみても本物の武器だ。ここにこのまま居ては、命の危険が及ぶ。そう本能が働きかけてくる。ここは逃げよう。そう思い、神社の境内から飛び出し、町に紛れ込む。
「どうなってやがる。ここは一体どこなんだ」
18歳にしては老け顔だと、同級生にちゃかされたことはある。だが、
だが、周りをみると、おれと同じ格好のものなどいない。
「おい、そこのお兄さん。なにやってんだい?」
「ん、なんだ、おまえ。それと隣にいるのは猿か?」
「さ、猿ではありま、せん。失敬ですね、初対面だという、のに!」
ぷぷっと長身のほうの男が笑う。
「おっと、笑って悪い悪い、兄貴。ところで、お兄さん、どっから来たんだい?恰好から見ると南蛮人の布教者みたいな恰好してるけど」
「これは、制服っていうんだ。あんたらこそ、なんて恰好してんだよ」
正面にいる、ふたりの男はボロの和服を着ている。
「はは。こっちのほうがおかしいって言われちまった。変な奴だな、お前」
「お前じゃねえ。俺には
「へえ、
なにか話が通じない。こいつら、本当に日本人か。
「あ、あの、わたしたちは中村出身のひでよしと言うもの、です。こちらは、弟のひでながといいます」
「ひでよしと、ひでながか、なんか聞いたことあるような名前だな。なあ、あんたたち、ここ、どこか知ってるか?」
「こ、ここですか?ここは、
「
それに津島だと?まさに俺が住んでる町じゃねえか。
「おい、ここは日本で、津島の町なのか?」
「は、はい。日本の
ははっ、どうなってやがる。
「今日は何年何月何日なんだ」
「今日は、外国歴でいうと、1554年3月8日、です」
「おいおい。転生ものは大好物だけど、俺自身が転生しちまったとでもいうのかよ」
時は戦国時代、場所はひのもとの国、
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