僕は、スライムで貴族になったスライム家に転生した

トチイ 青

第1話 プロローグ

 未来溢れる女子中学生。竹中かぐや。


 明日の新学期に備えて、シャワー中。


 春先でまだ心持ち肌寒く感じる。なのでシャワーを背中に浴びながら頭を前に倒して、ねずみさんの有名キャラクターイラスト入りの青色シャンプーを手に取る。かぐやは、このねずみさんの遊園地が大好きで、色んな物をねずみさんのキャラクターで揃えているのだ。このシャンプーもねずみさんに釣られて購入。


 浮かれるまま鼻歌を歌い、シャンプーのポンプを押して両方の手の平で少しだけコシコシわしゃわしゃ泡立てると、濡らした頭をがしがし強めに洗う。その勢い付いたシャンプーの泡が辺りに飛び散った。その1部が湯船に入る。其れを見て無意識に振ってしまった手に付いていた泡が、うっかり右目に入った。


 「わっ! 痛つぅ~」


 思わず目に手を持って行きかけた。あいにく、両手は泡まみれで拭けないというか、其れをすると更に大惨事になる。シャワーで洗うのは、以前かえって酷い目にあったので、まずタオルで拭いてから軽く洗いたい。でもタオルを取ろうにも目が開けられない。かといって、このままって訳にもいかず、堅く目を瞑ったまま手探りでタオルを探す事にした。


 そうして伸ばした手の先に、あると思ったタオルもシャワーの蛇口も無かった。その為、手は空中を掴みバランスを崩した。「ヤバイ!!」何とか転けないように足と腰に力を入れる。


 だが、最悪なことに、その時足が滑った。


 がーーーーーーーん! ∑(OωO )!!


 飛び散ったシャンプーの泡でタイルが滑りやすくなっていた。そして、倒れた先には探していた水道の蛇口があった。


 どがーーーーーーーん!!!


 額をしこたま打ち付けた。


 かぐやは、明日の学校を休む事になったら嫌だ! っという気持ちで1杯になった。


 その後の記憶が、かぐやには無かった。

 


 

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