第4話

 ここはストラトゥムカルパーテルミヌスで創世神儘が住まう神域。

 新たに生まれて間もないために、その保有する神力は少ないが創世神の役割を与えられている、神と言う存在には変わりない。

 その保有する力で世界を創造した彼は、布団に潜り込んでいた。


 さて、もう少し空間の設定を詰めておくか。

 え~っと、宇宙階層は現状真空と時間を付与していたな。そうだね~、後は無重力でも付与するか。


 彼は生み出した空間に新たな設定を行っている。その結果以下のようになった。


・宇宙階層:真空状態・無重力・時間

・空中階層:低気圧・大気・低重力・時間

・地上階層:通常気圧・大気・通常重力・時間

・水中階層:低水圧・水中・低重力・時間


 これら設定された項目は、空間を作る際に用いた魂力によって成り立っている。


 さて、こんなものかな。後は・・・。

 各階層の繋がりをどうするかだが、1マス1マス自分で紐付けていくのは面倒だな。今後もこの作業はすることになるだろうし。

 これに関しては、作業を任せる存在を新しく創るか。

 そうなると、魂力を溜めないとな~。

 おやすみなさい。


 500,000年後、いつもの如く目覚まし時計の音により覚醒する彼。

 今回彼はこの階層世界にある四つの階層を統括管理する存在を生み出す予定だ。

 所謂管理神と言われる存在である。


 さて、管理する存在だから真面目な性格にしないとな~。


 そう言いつつ想像する彼。

 今回彼が使用するのは、この500,000年で溜まった7億2千万の魂力の内の5億分だ。

 これを神力5に変換して、管理神を生み出した。

 彼の前には、蒼い髪の女性が一柱。


 「やあ、初めまして。いきなりだけどまずは確認と行こうか。君の名前と役割は?」

「はい、マスター。私の名前はあおです。与えられた役割はこのストラトゥムカルパーテルミヌスの各階層の総合管理になります。」


 儘は自身の想像通りの声色・仕草・に満足しつつその声を聴いている。


「ふむ、体の方に違和感などはないかな?」

「はい、マスター。問題はありません。」

「それは良かった、では早速仕事にとりかかてくれ。」


 儘の想像にによって生み出された蒼い髪の女性蒼。

 その顔は儘の好みであり。

 その体は儘の好みであり。

 

 そんな彼女は早速仕事に取り掛かり始める。

 まずは現状の確認としてこの世界の環境などの確認をしていく。


「マスター。」

「ん?なんだい?」

「地上と水中階層の一辺の合計値と、空中階層の一辺の数値がずれでいます。」

「ま~、その辺りは誤差誤差。」

「・・・マスター、私の方で誤差修正しますがよろしいですね?」

「ああ、良いよ。その程度の事なら事後報告でいいからね。」


 儘は自身の理想を詰め込んだ存在を前に非常に機嫌が良かった。


「じゃ、今後の空間拡張は君に任せるよ。今の魂力の増殖度だったら、500,000年周期で拡張だ。増殖炉は今後も増やしていくから余剰分に関しては、こちらに回してくれ。」

「はい、マスター。因みにですが今ある魂力はどうしますか?」

「それは居住空間の方に回す。こっちは私が環境を整えるから任せてくれ。」

「はい、マスター。では私は各階層の紐付け作業に入ります。」


 二柱の神は世界の管理と、自分たちの居住空間の充足に動き出した。

 蒼は各階層間の移動の為に作業を始め、儘は居住空間に家を創造する。


 こうしてこの世界の最上位管理神たる蒼は誕生したのだった。

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