それと目が合ったなら

カゲトモ

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「さいってぇ」

 この間から何だってんだ。なんで俺が外に出したらこんなに雨が降るんだよ。本格的に雨男になって来たか? もういっそ、雨男って仕事に就くか? なんて。

 コンビニにちょっと買い出しに行っていたら帰り道で一瞬だけ、本当に一瞬だけ豪雨に打たれるなんて。パンツまで、とは言わずとも結構濡れたぞ。髪なんてべったりするくらいに。

「っくし」

 そしてベタにくしゃみまで出るって。とりあえず風呂に入るか。先に用意しておいて大正解。

 まぁ、先にっつっても元々コンビニから帰って来たら風呂に入って早めの晩酌するつもりだったし、予定通りっちゃ予定通りなんだけど。

「うー、さむ」

 とりあえずは買って来たものを冷蔵庫に入れて温まってこよう。今晩は休みの日恒例のレンタル映画三昧で出来合いものご飯だ。今日は一日ダラダラするって決めていたから。  

既に映画も二本見終わっているし、残り二本はほろ酔い気分でグデグデしながら見る予定だ。レンタル屋のスタッフさんがオススメしていたアクションものとスパイもの。楽しみ。

「・・・♪」

 さっきコンビニで目が合ったこいつも楽しみだし。さーてと、ひとっ風呂浴びるか。今日の入浴剤はシトラス系のバスボムにしよう。

「あー、そう言えばあそこにアロマキャンドルもあった気がする。まだつくかな」

 風呂にバスボム入れてアロマキャンドル灯すって俺どれだけ女子力高いんだよ。って誰も使ってくれないから自分で使うだけなんだけど。女子力高いバスタイムでも、俺自身の女子力は上がんないし。

「いや上げたいわけじゃないけど」

 俺よりもミケとかミヨとかリンとかルカさんとか、美容に力を入れている人の方が女子力高いし。てかこのバスボム、ルカさんからの頂きものだし。

「この時代、本当に男とか女とか小さな問題になったよなぁ」

 なんて。時代は変わりますなぁ。

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