なんで神様《私》が言ったことを聞いてくれないの‼ 【修正版】

夏蓮

Ⅰ章

プロローグ

異世界転生を拒む者

私の名前は、ユリエ・エクソメイル。

私の仕事は、死者を異世界へと送り出すこと。

所謂女神ってところかな。

で、今日も今日とて沢山の死者達を異世界へ送り出しているのだけど…………なんというかくせ者がきたの。

大体の人は、異世界に行けるって言うことを聞くとすぐに飛ばしてくださいって言うんだけど………それが、今回来た人は異世界に行けると言っても、

──はあ、俺そんなとこ行かないよ。

の一点張りなの。

で、他の人には、特になにか特別なものとかは、与えたりはしないんだけど、特別になんでもあげるって言ったのに、それでも全く興味を示さないの。

だから、私の能力を『アブソウル』を使ったところなんだけど…………

あ、因みに『アブソウル』とは、私の言ったことをなんでも聞いてしまうっていう、凄い能力なのよ。

「な、ななな、なんでなにも起こんないのよぉーーー!!!!」

「おい、煩いぞ。そこの、女神様」

「いや、煩くないから。君がおかしいから!なんで、私の能力が聞かないんのよ!」

「いや、そんなこと言われても、俺しらんし。あ、もしかして、さっきの異世界にいきなさいとか言ってたやつが、能力だった?」

「そうよ!」

「へー、そっか。じゃ、俺もその能力ってやつ使ってみようかな?」

はあ?なにを言っているの?君みたいな人間が私みたいに能力を使うだって?ふざけんざないわよ!

と言おうとした私だったけども、目の前にいる彼が開いている物をみて、私は言葉を失った。

なんということか、彼が開いていたのは私の魔導書だったのだ。

「あのー、何故君が、私の魔導書を持っているのかな?」

「ん?ああ、だって、そこに置いてあったからね」

わ、私の馬鹿ぁぁぁーー!!

な、なんであんなところに大事な魔導書を………

「じゃあ、手始めに、制限を設けよ【エレメント】!!」

エレメント、それは、支持者が提示した能力、魔法の使用制限を1日1回と決めることのできる魔法。

この魔法は、普通なら、相当消費魔力が大きいというか、魔力を全損に近いぐらい魔力を消費するはずだから、発動できるはずがないのだけど、今ここの空間は、私が魔力解放状態のままにしているから、誰でも簡単に発動できてしまう。

…………ああ、なんで私、魔力解放状態にしちゃったのかな?

「はは、これ面白いな」

彼は、魔導書片手にそう笑いながら言う。

「………でも、さすがに、1人に対して魔法を発動するのも飽きてきたし、…………異世界行ってやるよ。あ、でも、1つだけ条件がある」

そう言ってきた。

エレメントを使われてからというものの、彼は、私に向かって、いろいろな魔法を使ってきた。

私は、もう、なに言われても従うしかないなーと思い、

「なんですか?」

と聞いた。

「女神様も俺と一緒に行って異世界に行くれてことさ」

冗談じゃないわよ…………私が、異世界に行くだって、それって私も魔王を倒すために、いろいろと頑張らないといけないじゃない………。

私は、相当その条件というのが、嫌で仕方がなかったけど、私はこの彼にいろいろなことを制限されたし、それに『アブソウル』を展開した時に、幼女化するとか変なこともされたし………それに、その制限されたことを、解除できるのは、制限した者しかできないわけだから、私は仕方なく

「わかりました」

と。言ったのだった。

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