アンドロイドは電気制服ボタンを受け取るか?

おてて

第1話 黒の冬制服

彼女を初めて見かけたのは僕が高校一年の頃だ。

たしか記憶では彼女の制服は黒の冬服だったので夏になる前だと思う。

彼女を見て、なんかうちの高校にはドえらい美少女がいると思った。

初めて見たとき彼女は学校の廊下を背筋をピンと伸ばして歩いていた。

それを僕は横目で見ていた。

ただその黒の冬制服の美少女を見かけたのは1年次にはそれ一回きりだった。


うちの高校は生徒数が多いため一年生のフロアが二つに分かれている。

僕は下のフロアで彼女は上のフロアだから動線が異なっていた。

休み時間に別のフロアに出かけるような性格の僕ではない。

だから用も無いのに上のフロアには行かなかった。

一年次に黒の冬制服のその美少女を見かけたのは一回きり。

実際その記憶は正しいと思われる。


はじめから黒の冬制服のその彼女は僕と同じ一年生だろうと思っていた。

なぜなら彼女の身長が低めだったからだ。

高校生にもなれば女子は身長も伸び切って大人っぽくなる人もいる。

これには個体差があってまだ中学生のような小さく細い体形の子もいるのだろう。

彼女が一年生だと思った理由はもうひとつ。

僕が二年に進級した時、黒の冬制服の彼女と同じクラスになったから。

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