第10回「バトルへのファンファーレ」

明け方の街並みは白と灰色の間の色を思わせる。


朝5時とはいえ出勤してる人もまばら。


ルナは松屋に入り、ネギ玉牛丼を頼む。


背広姿の中年が多い。


牛丼をあたふたと口にかっ込んでる。


ルナは牛丼をじっくり味わう方。


トビウオが早食いなので、もっとゆっくり食べたら?と言うと。


仕事柄早食いは直せんと返してきた。


そんなものなのかな?とルナは時間をかけて牛丼を食す。




明け方のファミレスでトビウオとミカゲは無法者デイド一派に囲まれる。


「おめえさあ、もう目を覚ませや」


トビウオは皮肉まじりにデイドのガラス玉の目を見て首を振る。


「お前が我らの仲間にならないという意思は変わらんわけだな」


ミカゲは初めてデイドの肉声を聞く。


まるで地獄の底から話してるみたいに低音だ。


「なにが、お前だ!年上にタメ口聞くな」


「トビウオ先輩、高校時代のあなたは偉大だったけど、今は凡人だな」


デイドは後ろの大男にGOサインを出す。


「ミカゲ、今だ、入り口に走れ!」


大男がミカゲを捕まえようと動き出すが、トビウオは後ろからドロップキックを喰らわす。蹴りは大男の後頭部をヒットして、勢いよくテーブルに激突。


ミカゲは入り口に辿り着き、外に出る。


テーブルに激突した大男はくたばってる。


自分より40cmは高いであろう大男が3人、トビウオの前にそそり立つ。


「先輩、やりますね、この3人を倒せれば何年ぶりかの対決ですね。楽しみだ」


デイドのガラス玉の目が青から赤に変わる。


2018(H30)4/26(木)



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