新型チートスキル"神絵師"を手に入れました!▽

登月才媛(ノボリツキ サキ)

第1話 新型チートスキル、"神絵師"を手に入れました。▽

実質中卒ヒキニート、人嫌いをレベルMAXまで拗らせた、クソアニメオタク底辺YouTuber!

唯一の成功はバーチャルユーチューバーとしてだけ。

最低な響きだぜ……絵画マニアな所も含めてな!

ところがそれが、先ほど熊に殴られて死んだ。


「よっしゃああ!やーっとまともな依頼がキターああ!!」

だぼだぼ部屋着を引きずって、ボサボサ髪の少女は

喜びに手を叩き、膝を打った。


最近はまともにものは食べていない。

ヒョロヒョロの体でフラフラとふらつきながら仕事の為に家を出た。


画材の為にも、食費を浮かせたかった。

この絵のためなら出費は惜しめない。

完成するぞ。そしたら、初めて自分で稼ぐんだ……このお金で好きな絵をまた描こう。


絵を描く事を考えているときだけ、私は真実生きていたのに。


まるで黒い犬だが、中身は熊。走れば車のように暴力的で、振るう爪は冷たく別つ。


そう、私はなんの予告もなく殺された。理不尽だ。



〈記憶の継承が許可されました〉

〈実行します〉


〈意識レベルを回復中……〉

〈称号"継承者"及びサポートスキル継承、サポートスキル絵師を適応します〉


……ぼうっと……頭が痛む……目が……見えない……。そうか、あいつに顔をやられたのか……助かった……?

いや、あそこは誰も来ない裏道だ……誰かに助けられたのではなければ……はは……既に死んだか?ここは死後の世界だろうか。にわかに信じがたいが……ね。


〈スキル"絵師"に適応する経験値を継承しています〉


なんだ、この文字列……スキル……継承……経験値……。なんか楽しそうなゲームみたいな感じする。

触れ……あれ?手ってどこだ?神経がおかしいのか……?

手の形は……指が5本……えっ。


目の前の空間……文字のある空間に、手の模様ができた。

「VRスコープだ……」すぐに思い浮かんだ。


〈スキル神絵師を獲得。レベルは1です〉


「神絵師……あーあ。

死ぬ前に成りたかったよ!」

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