C#の羽音は吐息の後に切なく消えて

南京白夜

今なら始められるかもしれないと思ったから

第1話 ペラいノートも、オシャレな喫茶店も

思考回路はメモリ不足寸前。今すぐ16GBに増設したいよ。欲しい。欲しいよゲーミングノート(ゲーム用ノートPC)。この胸を満たせるのはもう君しかいない。そんなことを考えながら駅前のスイーツ店のウィンドウを眺める。1個700円のイチゴショートが見えるわけだけど、おごってくれるイケメン彼氏ができるのを待つほど私は暇ではない。財布の中身を確認するやいなや店員に私の心を伝える。


「イチゴショートを私にください!」


店員はおそらくイケメンだったに違いない。ミルフィーユも勧めてきた。


「あ、、、え、いや、、、はい。じゃあそれも///」


断れない!私はちっぽけな虚栄心のために1000円のミルフィーユにまで手を出してしまう。ここは高級なスイーツの店なのだ。私のお金がゴリゴリ減っていくのを感じた。Unity(ユニティ)の有料版に課金するのはまた来月にしよう。まだフリー版でいいや。そう自分に何度も言い聞かせることにした。


Unityとは最近はやりのゲーム製作ソフトである。世界中のホビイストがこれを使ってゲームを作り、世界中のYoutuberがそのプレイを実況した。私もこの時流に乗ってゲームを作ることにした。言語は、、、C#らしい。

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