第24話 成長期かな?

―――――――数分後。


「はっ!フィアちゃんっ!どういう事?!」

「ふぇ?」


フォレストウルフさんをもふもふしてたら、レーナさんが先に復活して聞いてきた。

どういうことって言われても…


あ、ちょっと近すぎ…フォレストウルフさんがビビってる…。こいつ特異体なのにビビリなのね。なんで私たちを襲ったんだろう?


「よくわからないんですけど、できるっていうのは分かって…」

「うーん、まあ嬢ちゃんだしなあ…。無属性で森の1部を消せるくらいの魔法打てそうなくらいだし…。」

「何その話聞いてないわよ?」


ヨシュアさん、それはきっと杖のおかげであってですね…レーナさんには言ってないですが気にしないでください。大したことではないので…。


「その話は後で聞かせなさい。

でもまあそうねぇ…、特異体のフォレストウルフを氷漬けにしちゃうくらいだし。」


え、レーナさんも納得しちゃうの?え?


「公爵様のとこの子だしな…。」


もしかしてお父様は以前何かやらかしたことがあるの?!


え?あれ?2人ともなんか自己完結で終了してない?てか私の質問の答えは?!


「えっと…、結局魔獣ってテイムしていいんですか?」

「ああ、それは問題はねえな!」

「そうね、よく居るわ。ただその大きさとなるとアリス様とご相談した方がいいわね。」


なんでお母様?関係ない気がするのだけれど


「召喚獣じゃなくて従魔って事になるから食料やら寝床やら…、色々必要になるのよ。

だからテイムはアリス様が迎えに来てから話し合って決めましょう?」


なるほど。そういうことか!

召喚獣は例のアイテムで“召喚”するのに対して従魔は実体が常にあるもんね…


異世界ここの人達は『ああしなさい、こうしなさい』って言うだけじゃなくて説明までしてくれるから有難いね!


いやはや、いい世界だ!


「どうもー、娘がお世話になりました〜。

受付の方にこちらに居ると伺って…、」


ありゃ?お母様どうしたんだろう?

こっち見たら目を見開いて固まっちゃった?


「“天を翔ける風よ…”」

「わー!お母様待って!待ってください!」


フォレストウルフに向かって風の上級魔法の呪文を唱え始めた。


あぁ、なんでお母様が固まったか分かった。

今ちょうどフォレストウルフさんに“お手”を教えている最中で、私がしゃがむと高さ的に手じゃなくて頭にお手されるんだけど…


タイミングが悪かった。


しゃがんでやっていた私が“お手”の頭ポンでバランスを崩し、ひっくり返りそうになったところをフォレストウルフさんが服を咥えて助けてくれたところだったのだ。


傍から見たらフォレストウルフに襲われる3歳児…そりゃ驚くわな…。


「お母様、この子は大丈夫!!」


レーナさんとヨシュアさんが、咄嗟の事で語彙力が死んでる私の代わりに事情を説明してくれた。





「そんな事が…、」

「それでね、お母様…この子飼ってもいい?」

「ちゃんと面倒見る?…ってあなたが見てもらうことになりそうね。」


なぜ?!さっき転びそうになったのは偶然なんだからね!!


「ああ、でも今ちょうど従魔の首輪が家に無いのよね…」


従魔の首輪って何?

多分、名前的に魔獣を従魔にするための首輪だろうけど…初耳だ。


「それなら嬢ちゃんはテイマーのスキルがあるみてぇだぜ?な?」

「テイマーのスキルか分かりませんが、テイムはできるみたいです!」


またもや驚くお母様。

そして驚かれるのに慣れてきた私がいる…


今日1日でだいぶ成長した気がする。いろんな方向にだけど。


「テイムは万が一の為にここでやっていくといいわ」

「はい!ありがとうございます!」

「じゃあ始めちゃって?」

「はーい!」


レーナさんに言われて準備をする。


って言ってもポップの“はい”をタップするだけなんだけどね…。

失敗とか多分ないんだけどね…。



ていうか、正式なテイムは万が一とかがあるのか…失敗したら何かなるのかな?

何も知らないってのも怖いね!




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る