第10話 道中。


後日。


今日は!冒険者ギルドに!護衛してくれる人を探しに行く日です!


「お母様!早く早くぅー!」

「はいはい、ギルドは逃げないから、転ばないようにゆっくり歩きなさい?」


私は、お母様の手を引いてギルドへの道を歩いている。いや、小走りしている!



私の家である領主の屋敷は少し高い丘の上にあって、屋敷の門から街の大通りまで1本の道が通っている。


その道の両脇には庭師さんたちが手入れしている魔獣の湧かない、人の手の入った森まではいかないが林がある。


「ギルドまで馬車でもいいのよ?」

「私が歩きたいの!」

「そう?ならいいのだけど…。」


屋敷から街へ下る一本道の間は、屋敷の馬車で降りてきた。しかし、街の入口からギルドまでの街道は私の希望で歩いている。


「フィア、見えてきたわよ。あそこに見える大きい建物が冒険者ギルドよ。」


お母様が指すほうを見ると、離れたところに周りの建物より二回りほど大きな建物が建っていた。


地球で言うと医者とかのお金持ちの家とか、2世帯住宅くらいの大きさね。


『急にリアルな感じですです〜!』


「大っきいねぇー!」

「そうね、大きいわね!」

「横の建物も大きい!あれは?」


冒険者ギルドの横に、ギルドより少し小さい建物が建っていた。


「あれは酒場ね。冒険者の人達が仲間を集めたり、魔獣の情報を集めるようなところね」

「お母様、詳しいです!凄いです!」


そんな所もあるんだ〜!いいなぁ、冒険者!


「さて、着いたわよ?」


そんなことを思っていたら、いつの間にかギルドの目の前だった。


「さて、フィアはどんな人を選ぶのかしら?楽しみねぇ…。」

「なぁに?今なんて言ったのですか?」

「何でもないのよ?さあ、入りましょうか!」

「うんっ!」


なんか小さい声で言ったような気がしたんだけど…、気のせいかな?まあいいや。


『……、(エアちゃんにはちゃーんと、聞こえてましたですけどね〜♪)』


どんな人が居るのかな?楽しみだなぁ!

昨日の人みたいに優しい人がいっぱいだったらいいなっ!


そんなことを考えながら、私は大きな木の扉を開いた……。




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