第10話『アルバム』

「お兄ちゃん、古いアルバムが出てきました」

「へえ、父さんが撮ったやつかな。見せて」


「うわ、俺の小さいころの写真ばかりだ」

「これとかははだかですぞ」

「手ブレしてるからいいけど、あんまりまじまじ見ないでな」

「まじまじ……」

「やめなさいって」


「やはり小さい頃のお兄ちゃんはかわいいです」

「それにしても、お前の幼いころの写真がぜんぜん無いな」

「……気づいてしまいましたか」

「お前まさか、義理の――」


「撮影者がわたしです」

「何歳から俺撮ってるんだよお前は」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る