第14話;リッチと幼馴染

リッチは懐から禍々しい気を放つ剣を出して押さえ込んでいるエルフのリーダーに突き刺した。


苦痛の表情で骨と皮になっていくリーダー


「たすけて・・・・・」


動かなくなった


「あの剣はやばいな・・・・」

「禍々しいわね、なにあれ!」

「魂を食う魔剣、デガライシス・・・魔王城の宝物殿から盗んで適当に捨てたやつだ!こんな所にあるなんて・・・やば!魂食われるぞ」


「また、お前か災いの現況!」

ゴン!

「ルシフ・・・懲りないわね、本当に反省の色が見えないわ」



「ル・ー・ル・リ・ア!ナゼ、イキテル?ユルサナイ」


「之奈変化!」

「うん!」


ドロンとスライムに戻り之奈に変化する


「!エ?・・・ユ・キ・ナ?・・・」


ぶわっと風が吹いて、ハルト達のフードがめくれる


「わっぷ!凄い風」


「ハ・ル・ト・・・・マサカ・・・」


リッチが手を伸ばしてきた、

はっと自分手にショックを受けたようにリッチが手を引っ込める


「?ハルトの知り合い?」

「見えないか・・・?」

「鑑定?・・・????ばっかりよ」

之奈が困った顔をする


「ルシフが言ってたの覚えているか?仲間に会っても分からないようにしといたって」

「あっ!・・・・死んでもアンデットになって復活!・・・あ・き・ら?・・・あきらなの?!」

之奈が興奮する


「チ・ガ・ウ・・・ミルナ・・・・ミナイデクレ・・・コンナスガタミルナ・・・」


リッチは森に走り出した


「まって!あきら!」


「之奈、大丈夫だマーキングしといたから、場所は直ぐ分る、あの感じだと直ぐ追いかけても拒否られる可能性が高い、一呼吸置こうぜ」


「うん」

花音が之奈の肩を抱いて慰める


「来たぞ、ずっと蚊帳の外で見ていた連中が」


エルフの村の城壁の門が開いて、中からエルフが数人出て来た。



「お初にお目にかかります。西のエルフの長エウガンドと申します。」

「リッチは行ってしまいましたか・・・」


「あのリッチの事を?」

「森で我が同胞を助けてくれました。」

「エルフを助けた?」


「ハンターエルフに囮にされ死にそうな所を・・・・森へ採取するにも私たちの力では出れないもので」


「封印がかかっているな、ルシフ・・・本当にお前はそうしようも無いな・・・」


「襲撃する時は絶対に城壁から出ないように伝令スケルトンが言ってきていました、ハンターエルフを根絶やしにする事を謝ってくれてました。その後里に来ないか?と言ったのですが、皆が怖がるからと・・・本当にやさしいアンデットです、彼を討伐など考えないでいただきたい」


「我々が、里にお邪魔してもよろしいか?彼を討伐しないことは約束します。」

「ありがとうございます、どうぞこちらに何も無い村ですが、お茶だけは美味しいので是非飲んでいってください」




城壁をくぐると、木の上や下に簡素な住宅が並んでいた、岩山の壁に小さな祠が見えた

「あの祠は?」

「ああ、400年ほど前に渡り人を名乗る女性が水晶玉に結界の魔法を施して置いていかれました。それから定住できるようになりました。それまで、魔物から逃れるように放浪していまして、大分人数が減ってもう滅びるだけかと思っていただけに、神と同等に祀らせていただいております。」


「あの、魔法陣では小さいでしょう?」

「はい、あれから人口が増えまして、結界外住むしかなくなった者が、あのように野蛮になってしまい困り果てておりました」


「それと、エルフに皆さんの魂に、一部封印されている物があります、それを解除しましょう、一気に強くなります。この森でも生きていけますよ、それと結界の拡大魔法も掛けておきましょう」


「!封印?それに魔法陣の拡大?そんな子できるのですか!?・・・あなたはいったい何者ですか?」


「封印を解いたら多分分るよ」


<拡大>


「まんまだね」

之奈が言う


<封印解除>


「まんまだね・・・」

花音が言う


エルフの里全体を光が包む


「凄い!そうよねエルフってこんなイメージよね、今まで人間と変わらないから不思議だったのよ」

之奈が興奮する


身長がかなり伸び、髪が淡い金髪から、緑色に変わった、歳をとったエルフが若返った


「これはなんという・・・」


「それが本来のエルフの姿、今まで120歳くらいしか生きられなかったろう、これからは平均寿命600歳だ」

「それは長老だけでなく?」

「長老は少し長生きだったのかな?じゃあ長老はもっと長生きするかもな」


「なんという事だ、伝承の通りの姿」


「長寿の理由は分っているな?」


「はい、この森を守り、この森を育てていきます・・・神よ」


そう言って目の前のエルフたちは膝を付いて頭を足れた


「お名前を伺っても?」

「止めておこう、私はこの世界の管理者じゃないから、通りすがりみたいな者だ、感謝するなら新しい神ゼウスにしてくれ」


「貴方が、天啓のゼウス様じゃ」

「違う、ま、彼とは友達?」


「おおっ!」


新たなるエルフの歴史の始まりに、宴会になっていった。

その日はエルフの里に泊まらせてもらった。





「くそっなんなんだ、渡り人の女って」

ぶつぶつ言うルシフ

「神龍の所に来た渡り人はイメージ男の気がしたな」

ハルトが言うと

「そうね、何人も来てるのかな?」

花音が疑問に思う

「いや、魔法の感じから行くと同じだな」

「次期も違うしね」

之奈が思い出して言う


「このこの 結界のせいでエルフの様子が見れなくなったのか・・・」

「滅びかけたエルフを救った渡り人、魔法陣に愛情が見える」


「!まさか!あの方か」

「ハルト?」

「ルシフ、お前の前の管理者の名は?」

「ミカエル・ファースト、いきなり自分の管理していた世界を放り投げて,狭間の世界を放浪始めた異端児、そのドサクサに神に成り立てで、管理世界を持ってなかった俺はこの世界の管理に名乗りをあげて今に至る・・・」

「ミカエルか」

「知ってるんだ」

「放浪の神どうしだからか?」

「ま、そうだな・・・あいつ放り投げたんじゃなくて、自分の管理世界に帰れなくなったんだ、俺ら放浪の神の間で”迷子のミカエル”って言われている、やっと帰ったら管理者が変わってて、嘆きはすごかったよ、帰って来たのは800年くらい前か?1000年くらい迷子になってたはずだ」


「・・・・神が迷子・・・・」

「世界は無限にあるからな、普通は波長で分るんだが・・・・」



「自分が管理していた世界がいつの間にか不幸要素に覆われていた、治したくもなるよな」


ゴン!


「ぐへっ!なぜ殴る・・・・」

ルシフは気絶した。


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