第6話;神龍とはぐれ龍

「こいつは驚いた神龍か」

『あなたからとてつもない力を感じます、敵対はしません、・・・龍を討伐している理由をお聞きしてもよろしいか?皆が怖がっておりまして』


「討伐対象は、龍の中でも犯罪、龍の掟を破った者のみ、討伐理由は彼女のレベリングの為だ、掟を破って無い者は討伐してないだろう?」


「ああ、それで何体か見過ごした龍が居たのね」

『・・・・たしかに、離反したものばかりですが・・・』

「後、一体で龍の討伐は終わりだ、そいつの事、解るだろう?」


『・・・・あの者は・・・居所がつかめません』

「地中に潜って、あんたらに復讐をするタイミングを計ってるぞ、何体か倒した龍の中に奴の手下が居た、死に際、意識を読み取ったらそう言ってたぞ!」


『あれは、邪に魅入られた可哀そうな奴だ、この世界では邪に魅入られやすいのはたかなのだが、我の力では浄化出来なんだ』


「神龍の浄化じゃ無理だろな・・・・人間の力のある浄化に特化した聖女じゃないと・・・」

ぼそっというルシフ


『邪に乗っ取られてしまってはもう・・・・』


「気配は完璧、邪龍だな」


『あれの悲鳴が聞こえてくるのです、後悔とくやしさが、それも消えかかってます』

「死なせてやるのが一番だろうな」


『あれを開放してやってください。』


「解った」

『これを差し上げます、貴方が持つべきものだと思いますので』


龍の手から剣が現れる


「でかい」


「龍牙刀か、この世界の物じゃ無いな」

「なっなんでそんな物が」

ルシフが驚く


『異世界の龍は我々の10倍の大きさがあるそうです、強さも堅さも桁違いとか、その世界から渡人を名乗る人間が置いていきました』


「へぇ~世界渡してきた人間が居たんだ」

じろっとルシフがハルトを見る

「俺じゃないな・・・世界渡をしている神は俺だけじゃないだろ?」

「それは、そうだけど」

ルシフは疑いの目を向ける


「それのせいで龍になかなか干渉出来なかったのか・・・」

「どうりで龍が常識人だと思った、神の目をごまかしたり、力を退ける力があるな」

「里を長く離れると剣の加護が薄れるんだな、それですぐ、邪に取り込まれたか」


「くそっ・・・干渉できない理由に早く気が付けば・・・」


ごん!ルシフの頭を殴るハルト、

「本当に反省しないな・・・・ま、考える時間はたっぷりある、一人になって考えるんだな」


「hp;1で目むいてるよハルト」

「死なないから、毎日殴るかな・・・ムカつくから」


「・・・毎日溶解液に漬けこもうか?・・私もむかつく・・・」


『・・・・その一角うさぎは?』


「「ストレス解消おもちゃ!」」


ハモる二人


「でもそれはあんたらの所にあった方が良いと思う、似たようなの持ってるから大丈夫だ、そうだそれに新たな術式加えてやる」


『え?魔法ですか?」


「たんなる拡張魔法だ」

手を剣に向けると

<拡張>


「まんまだね・・・」


ぶわっと魔法陣が大きく広がるどんどん広がる


「龍なら、何処に居てもその剣の力が及ぶようにしといたから、余程欲深くなければ邪に魅入られることはないから」


『・・・・あ・ありがとうございます。なんとすさまじい魔力・・・・』


「里の中央に刺しとくと良いよ、盗まれないように神龍以外抜けないようにしとくから」


ハルトは神龍達と別れて、邪龍の元に向かう


「今回は、ルシフは出番無し・・・いやこれからずっとかもな」

「え?」


「100レべ以上になった今の之奈なら、魔王と魔王四天王と龍以外負けないだろうから、囮は要らない」


「え?」


「100レベ以上の魔物なんてそう数居ないし、邪龍倒せば多分130は行くんじゃないか?」

「私の変化を使えば、変化した(取り込んだ者)の力も使えるから、相手の苦手な魔物に変化すれば楽勝だよね」


大きな穴の前に来た


「ルシフ、この辺で待っていてくれ、お前のレベルだと近づくだけで、気絶するぞ」


穴の中から瘴気が漂ってきていた


「・・・分った」


二人はルシフを置いて邪龍のいる地中に向かった。


「凄い瘴気だな」


「苦しい・・・」


「人間だと瘴気にやられる、スライムに戻れ」


ぽよんとスライムに戻る之奈


「うわぁ・・・腐食始めてるな・・・やばいなもう意識無いだろう」

<ピューピューイ>


邪龍からものすごい瘴気が漂ってくる

「目が・・・いっちゃてるな・・・よだれが落ちて岩を溶かしてるし・・・」


グエェェエ!


雄たけびを上げるといきなり走り出す邪龍


「なんだ!?」


手の中からユキナが飛び出すと一角獣(ユニコーン)の姿に変わる


「そんなのも取り込んでたのか凄いな」

『追いかけるぞ!ハルト!あっちの方向は龍の谷じゃないか?』

「声も違う、・・そうだやばいな追いかけるぞ、床は溶解液で危険だな」


『一角獣(ユニコーン)は腐食耐性があるから大丈夫、先に行ってくれ』


そう言われてハルト宙に浮くと

ッドーン

という音と共に飛んでいった、之奈も負けじと駆け出す




ハルトは追いつくと一蹴りかまして邪龍を止めた。

直ぐに之奈も追いついて来て、一刺し!>角の周りに竜巻が起こって邪龍を吹き飛ばす


その二つの攻撃だけで1/4のHPは減っていた。

「さすが、光属性!邪に強いな一角獣(ユニコーン)は」


「続き、行くぞ!」

『分った』







すさまじい音ともに邪龍が吹き飛び地面に落ちた

その時にはもう絶命していた。








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