犬死に、無駄死に、野垂れ死にを越えていけ!

ファンタジーとは、現実を忘れさせるものではありません。ファンタジーとは現実そのものです。現実を、別の形に移した置き換えたものです。
だからこそ、その世界観や作者の目線は、書かれた時代を否応無く反映してしまう。
2018年に生まれたこの作品には、作者の時代に対する厳しい眼差しがあるのではないか、と思う。もっといえば、彼の人生観のようなものも感じる。
多くの人が支持した、求めたということは、この作品は、現代そのものなんじゃないだろうか。

子供の頃に熱中したゲームのような、というだけではないなにかがある。
別の角度からいえば、あのとき熱中したゲームのような世界に僕たちはいるのかもしれない。
だったら僕らはどうやって生き延びてやろうか? ヒントはこの小説にあるかもしれない。

ファンタジーを敬遠している人も楽しめる、丁寧な文章です。イメージがすっと頭に入ってきます。むしろ現代を舞台にした作品を主に書いている人こそ読むべきかも。

イワトオさん、僕はあなたの小説が大好きです。

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