続・君に名は。

【前回までのあらすじ】

 メンタルケアを受けて来ました我らが幽冥牢ゆめろう。状況を詳細に話し、結果的には

『そういう事件に巻き込まれたのだから、眠れなくなったのも無理はない。薬を強くする必要はないかも』

との事。午後は警察からの電話待ち。いい加減にその一件はケリを付けたい所。

『示談金、来てくれー!><』

と、空を仰ぐ、幽冥牢―




 結果、警察側の示談金に関する意見は

『民事なのでこれ以上は介入できない。被害内容が嘘でないというのなら、住居が近所なら、自分で犯人を捜して証拠を示せ。相手も納得させろ』

との事。

『弁護士に頼むのは如何』

というありがたいアドバイスを別の方面から頂き、一応調べるも、

『10万円以下のwww示談金でwww弁護士頼むとかwww』(大意)

という法律の壁が真面目に被害者である幽冥牢の心をさいなむ。

『被害に遭った当日その瞬間に、持ち物のダメージ全てに気付いて写真を撮っておかない様なマヌケは地べたを這っていろ』

という事か。

 ひとまず昼寝をして頭を冷やし、今日は休みだった不動産屋に後日連絡をしようと考えるのだった。決め手は事件の後に帰宅した際、階下から延々響いて来た犯人一味の老婆の声。

 自分の悪行顧みず、そればかりか絡まれた際に破かれたこちらの服を眺め、

『最初からぼろをまとってこちらをはめるつもりだったのだろう』

などと意味不明な台詞をほざいた奴を許してはならぬ。


 幽冥牢はまたも一人、拳を握り締めるのだった―


 

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