7#雌タヌキが見つかった?!

 「雌?雌?!おいらを嵌めようとしても、騙されないぞ!!」


 タヌキのポクは、歯を剥き出しにして2羽のカラスに対し唸りをあげた。


 「本当だぜ!お前さんの探してた雌ダヌキだ!」


 カラスのカースケも、慌てていた。


「騙されないって言ってるだろ?!」


 タヌキのポクは叫んだ。


 「何回言ったら解るんだ!!お前の雌ダヌキが死んでもか!」


 カラスのカースケは声をあらげた。


 「死ぬ?何で??雌ダヌキが?!」


 「来い!」


 タヌキのポクは、2羽のカラスに言われるがままついていった。


 「高速道路?!」


 タヌキのポクは、車がひっきりなしに物凄いスピードで通りすぎるのを見ていた。


 「その真ん中を見ろ!!」


 「え?えええええええええええええええーーーーーーーー!!」


 タヌキのポクは、絶句した。


 「あの上空に、トビのスピーがいるだろ?あいつが第一発見者だ。

 あの雌ダヌキは、例の風船を夢中で追いかけたら、高速道路のど真ん中に出ちまったってさ・・・」


 カラスのカースケは、悲しい顔をして言った。


 「もう・・・俺達にはどうすることも出来ないよ・・・!!タヌキさん今さっきは


突っつきまくったり追いかけまわしたりしてごめんな・・・」


 カラスのカーキチも目に涙を浮かべて謝った。


 「大丈夫だよ・・・カラスさん達・・・知らせてくれてありがとう。」


 タヌキのポクは、泣きじゃくる2羽のカラスを宥めると、中央分離帯でウロウロする雌ダヌキに目をやった。




 ・・・雌ダヌキよもうちょっとの辛抱だぜ・・・


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