私の15パズルの才能

 いつもお世話になっております。

 やるやる詐欺ならぬ、やらないやらない詐欺で定評のあるバンブーと申します。

 五月まで更新しないと言ったな、あれは嘘だ。


 今日は他の方のエッセイやTwitterを見て思ったことを書いていきます。


「才能」です。


 自分語りになります。今回は、私が唯一持っている才能について話します。

 よく、創作において自分に才能がないと嘆き声が響いてきます。創作の才能です。

 絵だったら絵、音楽なら音楽。

 小説なら……文章?


 ……先に、皆様は小説や創作に対して誇れる才能は持っていますか?

 あ、私は持ってないです。

 いろいろな作品をとにかく吸収し、いろいろな指摘を受け続けて出来たのが現在の私であって、ほぼ全部が努力の結果です。

 それでも書籍化なんて出来ませんし、コンテストも一次選考を一回しかしたことありません。

 他の人と技能で比較してしまったら、全ての技能が誰かの劣化で一番なんてこのエッセイ以外だと小学生の時の卓球大会ですかね。

 その時私は「後輩にも負ける最弱」というラノベ主人公のレッテルを張られていました。でも小学生最後の大会だったので、どうしても一番になりたいと思い、プロの試合とスポーツ雑誌で研究と練習をし続けた「初見殺し」のオンパレードで完封する、勝ちにこだわった変な努力でしたが、大会の後はメタメタのボロボロに負けました。

 懐かしい。


 そう言えば、仕事でも一回だけ実績が全国一位になりました。事務員の人に誉められましたけどそのあと、余裕で後輩に抜かれましたね。

 その後、私は平社員のままで後輩が昇格していきましたね。

 しかも、上司に「お前後輩に抜かれて悔しくないのか」と詰められる始末。

 世知辛い。


 学業もズタボロで、数学と技術系以外は全てギリギリ赤点。あと、理科が電子基盤系だけが得意で科学系はボロボロ。

 居残り常習犯でした。

 単純に頭悪いということで、もう一人の頭悪い子とよく居残っていましたねー懐かしいなー。

 その一緒にいた子は、引き算が危ういという強者だったので、そこまでではなかった。

 私は数学はそれなりに出来てましたからね。全然自慢にならないけど……


 ヤバい、どんどんダメ人間さが出てきました。ネガティブという次元を越えてきました。

 とにかく、両親の応援もあり何とか大学を卒業しましたが、とにかく私は学業は目も当てられないものでした。

 でも、思った以上に一位をとってましたが、それでも最下位が多かった気がします。

 率直に言うと私は落ちこぼれです。


 才能に勝つための努力をしてきましたが、「努力の才能」って言葉が私は好きではありません。

 ハッキリ言ってしまうと、この社会においてや創作に関しては、才能だけで語るなら私には何も無いんだと思います。

 あったとしても、昔サンデーでやっていた「うえきの法則」で例えると、主人公の植木が最後に持っていた才能の数以下だと思います。

 寧ろ「生きるのに不向き」という言葉一番あっているんだと思います。


 人類の面汚しである私ですが、そんな私でも一つだけ人に誇れる才能がありました。


 皆さん「15パズル」ってご存知ですか?

 別名スライドブロックパズルと言われる一枚の絵を4×4または5×5に区切り、一枚を取り除いた状態でスライド式に一枚づつ絵を入れ替えていく。

 それをまた元の状態に戻して遊ぶパズルの一種類です。

 昔のよくランドセルのキーホルダーとしてぶら下げている子がいたじゃないですか。あれですあれ。

 私は何故かあれが、小学生の頃一瞬で解たんです。難しいパズルではないのですが、当初の友人から「早すぎて気持ち悪い」と言われておりました。

(;ω;)

 ジグソーパズルやルービックキューブなどの有名で高難易度のパズルは、私の低スペブレインでは不可能でしたが、逆に誰も本気でやらないこの「15パズル」のみが私の学生時代に誇れる唯一のアイデンティティーだったのです。

 

 超ショボい才能です。

 ほぼ無いのと同じレベルな代物でしたが、今にして思うと今まで私が人間社会で生きて行けたのはこれなんだなと染々思います。

 数学では、計算するだけの課題は非常に得意だったのですが、文章問題などの日本語の読解力を求められると死んでました。

 理科の電子基盤の問題は、まさに「15パズル」の延長線上でスラスラ解けていきました。

 私が学業で活ける道が工業系の学校しかなかったので、工業学校に入学しました。

 しかし、残念なことにその学校はハードよりもソフトが重視される所でしたので、電子回路よりプログラムの方がメインでした。

 私はBもCもやりましたが、英語が苦手だったので無事死亡。

 自作ロボットのテストも、如何にソフトが脆弱でもちゃんと動く、回路を極限に短縮させた小さいロボットを作成し、教授を苦笑いさせていました。

 

 卒業しても就職先が見つからず、創作では食べてはいけないので販売業に就き、年は経ってこんな物が売れる理由を書いたりした訳です。


 私の「15パズルの才能」の正体は、電子回路や売る為のロジック型のように、一つ土台に「理由」「部品」の全ての情報が出揃った時に、「本質」へ組み立てる力みたいです。


 よく、私のエッセイでやっていた分析というのは、この「理由」と「部品」をかき集める行為で人の書き方や癖や技術を盗むことが、私の得た「本質」なんだと思います。

 これが、私の作品に活かされているのです。

 私の作品はよく「パズルみたい」とリアルで言われていたのですが、それは間違いなく読んだ人達が「15パズル」をやった時の感覚に陥っているからだと思います。

 理由と部品が組み立てられている行程を見ているからです。

 しかも「15パズル」という凄く簡単なパズルなので、分かりやすい。

 人の作品の良い所が分かるのも、部品と理由を抽出し続けている結果の良い本質を見抜くからだと思います。

 私の能力と精度を高めていく、本当に私の一つだけ持って生まれた「才能」なんだと思っています。



 さて、自分語りも終わりにしてここまで読んだ方々の話にします。

 もし、皆さんが小説や創作に才能が無いと思っているのであったら、まず止まって考えてみるべきです。

 そもそも小説の才能とはなんなのかということを……

 一冊の小説の中には「文章」だけではなく「構成」「発想」「表現」「共感」「テーマ性」などいろんな構成要素が混在したコンテンツであることを念頭におくべきです。

 そして、このどれかが劣っててもし、沢山の構成要素の中に光る物が見つかれば、それは間違いなくであることです。

 その武器の正体こそ、自分の日常生活の中に紛れた気にも止めなかった「ショボい才能」だったりする訳です。


 日常の中にある創作とは関係ない得意なことってありませんか? 本当に小さくて良いんです。


 爪を切るのが早いとか、

 遅刻しないとか、

 割りばしを綺麗に割れるとか、

 体が丈夫とか、

 鬼メンタルとか、


 絶対関係ないだろみたいなことが、本当は自分の人生を支えてきた尊い才能だったりします。

 そして、人一人の人生を支えた才能というのは、実は汎用性が高く、どんなことにも応用出来る凄まじい技能だったりします。

 実は会社もこの才能の汎用性に気づいた人達が欲しくて、ヘッドハンティングをかけてきます。

 それぐらい、自分の才能に一つでも気づくというのは強いことなので、皆様も考えてみると良いと思います。


 どうやって自分が人生の山を越えてきたのかを辿ると、自分の才能が見えてくるかもしれません。


 あ、学生の人は別に才能が見つからなくても良いと思います。

 寧ろ自分の可能性にチャレンジをし続けて粉微塵に玉砕していく方が楽しいと思います!


 社会に出て、大人畜生の汚いやり方と戦っていく内に、自然と自分の隠し持っていた仕事を抱えて退職届けという最強の銃弾を会社に向けて撃ち込まなきゃいけない場面が出てくるので、その時になったら考えれば良いと思います。

 多くの方々が言っていた、子供の時は遊べという言葉が見に染みる……

 大人が言う勉強をしろという本当の意味も分かると思います。



 ということで、この世に才能の無い人はいない! いたら、この世の中生きていけないの巻きでした!


 皆も明るい未来に向けて自分の武器を探そう!

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