Your smile

ノン❄

Your smile

第1話

君が笑顔になるなら、

僕はいつまでも側にいる


いつまでだって抱きしめる




笑顔を忘れた君に出会ったのは


高校3年


桜、満開の春の日だった



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



偶然なのか、必然なのか


俺達は何かに引き寄せられるように出会った


そして俺は君に…




「周平ー、ちょっと待ってよ

一緒に帰ろうよー」


「うるさいなぁ、亜紀はぁ。勝手に帰れよ~」


「いいじゃん、どうせ家すぐ近くなんだし、自転車乗せてよ」


「お前彼氏いるじゃん」


「先月別れたの」


「あいっかわらず、亜紀はあきっぽいなぁ」


「周平、さっぶ」


「へへへ、やっちゃったか?」


「やっちゃってるよ」




亜紀は幼なじみで幼稚園から高校までずっと同じ

周りの友達から言わせると美人で結構モテてるらしい

俺はあんまり意識したことないけど




校門を出たところで二人乗りしようとした時自転車がふらついて隣を通りかかった子にぶつかった



「うわっ、あっぶねぇ」


ドタっ


「大丈夫?ごめん、ケガない?」


「大丈夫です」


俯いたまま、答えた彼女は顔をあげることなく、その場をすぐに去ろうとした


「ちょっ、ちょっと待ってよ

ほんと大丈夫?」


追いかけて肩を掴むとビックリしたように振り向いた彼女

綺麗な大きな瞳が見えて一瞬、目が合ったけど慌ててそらして、小さな声で言った



「本当に大丈夫ですから」



「ごめんね」



顔を覗きこもうとすると逃げるように走って行った彼女



「なぁ、亜紀、あの子、知ってる?」


「あの子ね、全く笑わないって子

石垣美帆 周平、知らない?」


「うん、知らない

笑わないの?どうして?」


「しらなぁーい。

別にいいんじゃない?」


「あ、うん」



笑わない…そんな子いるんだ

でも、その時あの瞳の奥が微笑んでいたように俺には見えたんだ



きっと、素敵な笑顔をする子なんだ

俺は不思議とそんなことを思ってた


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