第25話 同盟2

俺たちは公園でオリジンを探していたところ、リクと煉鬼れんきと名乗る男とオリジンから仲間になるよう誘われた。ちなみに煉鬼れんきの漢字はノキアに教わった。煉獄れんごくの鬼と書いて煉鬼れんきなのだそうだ。え?何それ怖っ!


「いやー、うまくいってよかったよ。実は君たち以外にも声をかけたオリジンはいるんだけどね。」


「えっ?そうなんすか?あーそういえばリクさんっていま何歳っすか?」


見た感じ大学生っぽいけど…


「僕は今年で21歳になるよ。」


やっぱりそうか。21ってことは俺と4つも違うのか。


「じゃあこのまま敬語でいったほうがいいっすかね?」


「別に気にしなくていいよ。僕もどっちかというとタメ口のが話しやすい。」


そっか。まぁでもなるべくは敬語でいこう。


【それよりも、私達以外にも誘ったと言っていたな。だがその口だと失敗したみたいだが。】


「そうなんだよね。みんな『仲間なんか作るよりいまお前を倒せばいいだろ?』とか言って襲い掛かってくるんだよ。ほんとまいっちゃうよね。」


そうなんだ。でもその言い分もわかるな。仲間になれば相手の居場所とかはわかるかもしれないけど、いつ裏切られてもおかしくないことを考えると、メリットよりもデメリットのが多い気がするし…


?】


え?あ、でもそうか。『お前を倒せばいい』って言われて、。ってことは、その相手を倒したってことだよな?


「あはは。単なるまぐれだよ。運が良かっただけさ。」


リクは笑いながらそう言った。うーん、どうなんだろ?


【そんなことよりもさ、せっかく仲間になったんだからそっちのスキルを教えてよ。】


「スキルって固有スキルのこと?」


「そう。おそらく居場所を特定するスキルだと思うけど、実際に聞かないとわからないからね。」


「そっか。こっちのスキルは…」


【アスカ。ちょっと待て。】


ん?なんだろう?


【こっちのスキルはそちらの思惑通り、オリジンの居場所を特定するスキルだ。それで?そっちのスキルは?】


???なんで俺を待たせたんだ?


【こっちのスキルもそっちと似たようなもんだよ。相手の居場所を探ることができる。とはいえだ、詳しく探ることができないスキルだから、あんたみたいな能力者は大歓迎だ。】


「まぁそういうことなんで、これからよろしくね。」


【…まぁいいだろう。】


…なんか俺置いてけぼり感が強いんだけど…


「さて、じゃあ仲間のところに案内しよう。ついてきてくれ。」


リクはそのまま公園から去ろうとしていた。え?煉鬼れんきはどうすんの?普通に床に座ってるんだけど…リクが公園から離れると、煉鬼れんきは姿を消した。えっ!?どうなってんの?


「ん?どうしたんだい?早く来てくれ。」


「え?いや、ノキア。どうすればいい?」


【どうすればいいって、そのままついていけばいいのではないのか?】


その場合ノキアはどうなるんだ?煉鬼れんきは消えちゃったけど、そのままスティアに戻るのかな?俺の不安を感じ取ったのかノキアは


【ああ。そういうことか。別にゼクトから離れても私はスティアの中に戻る。ゼクトで実体化しても、スティアがゼクトの範囲から離れれば私達もスティアに戻る。】


そうなんだ。そこら篇も説明して欲しかったな。そうとわかれば。俺はリクについていき、公園を後にした。

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