金木犀を追って

相園 りゅー

金木犀が香る

金木犀の花が咲く頃

 (あの甘いマーマレードのような

   香りがいちめんに立ち込めて)

 (無風の朝に)

 (明星がひかり)

 (遥かな小川も流れをとめて)

 (千切れた雲はオレンジであることをやめ)

 (やがてすべてが虹になっていく最中さなか)

誰も恋をせざるはなし。

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