第3話 「追い討ち」

毎日、純粋に不味く貧しい食事を檻の中で食していく内、その檻の管理者であるトカゲ野郎が次第に話し掛けて、問うてくる様になった。


最初は、幾つだまだ幼いな、その飯は俺も昔よく食ったよ、等といった一方通行で成立するセンテンスであったが、次第に、何故ここに入れられた?移動魔法とは高度な術者だな、術者は大変であろう偏見と羨望で、と、具体性のある問いが増えきたので、見た目は不気味ではあるが、毎日目にしているので多少耐性が付いた俺は彼奴の発言に反応し始めた。


まず、俺は私は学生の身分であり、ピュアーな人間で、この世界の生まれではない、魔法は存在しないはず、あなたのその顔も怖くて仕方が無い、等、触りの最初に伝えたい大事なことを言い始めていたら、ちょっと待っていろと、トカゲ野郎は眉間があるかどうかは目視では判断出来ぬが、兎に角眉間に皺を寄せたような表情をして、代わりの人間風の門番置いてドアーの向こう側の何処かへ消えてしまった。



俺は人間風の鼻息荒い体育会系独特の所作を見て暇を潰していると、トカゲ野郎は小走りで戻ってきた誰かを引き連れて。



完全なる猫であった。整った白衣のような服こそ着てるものの、俺がこうなってしまう前の世界では猫と呼ぶ、四足歩行の服着た猫が人語で俺に話しかけてきた。


これは何に見える?ではこれは?うんうん、ご両親は?うんうん、小さな頃を思い出せる?うんうん、嫌いな現象は?


どうやら精神分析されているようだった。猫に。

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