第10話 不審な男性

「さぁ着いたわよ?」

俺達が見た光景は・・・

「お菓子の家かよ・・・」

「夢の国みたいだろ?」

『見た目からは想像出来ないですね・・・』

「この家、特注だから高かったのよ?」

「逆に目立ってる気がするんだけど?」

「そんな訳ないでしょ?」

俺は隣の男性に尋ねた。

「目立ってますよね?」

「目立ってるな。」

すると、皆川が

「てか、誰だ?そいつ。」

「え・・・?」

「誰でしょうか?」

『身長から推測すると、鳥元皐月さんでしょうね。』

「正解。」

「さつき・・・?」

「鳥元って女だぞ?」

「言ってなかったけ?」

「母さんも知ってたの!?」

「そりゃあ、同期だし。」

「じゃあ、殺されたってのも嘘?」

「それは本当よ。」

「じゃあ・・・?」

「そっちの鳥元は私の父親。」

「どうゆうこと?」

――見た目が普通に男なんだけど?

「ん?」

「鳥元さんって・・・?」

「この格好のこと?」

「男じゃないんですか?」

「女だよ?」

「じゃあなんでそんな格好を・・・」

「幽霊だと思ってビビる人が多くて面白かったから。」

「人が悪すぎます!」

「そう?」

「はい!」

――自覚なしかよ!?

「なら・・・」

特殊メイクをしていた。なんのメイクかと思うと怪我のメイクだった。

「それもやめてください・・・」

「今、流行ってるんじゃないの?」

「歳を考えてください。」

「女性に歳のことでいじるのは、ダメじゃない?」

「あなたは例外です。」

「なんで!?」

「見た目が男だから。」

「中身は女なんだけど!?」

「で?だから?」

アッパーが飛んできた。

「何か言うことはある?」

――女を怒らせたらめちゃくちゃ怖い。

「すみませんでした・・・」

「よろしい。」

「で、早く降りてくれない?」

「ごめん。」

「早く降りて。」

「ハイハイ。」

「カタコトじゃなくていいから。」

別荘は、さらに入りにくかった。

「ホントにここに入るの?」

「もちろんよ。」

「嫌なんだけど・・・」

「文句言わないでいいから入りなさい。」

「・・・分かった。」

――めちゃくちゃいやなんだけど。

「うわ〜このぬいぐるみ可愛い〜!」

「でしょでしょ!」

――お前らな、いい大人だろ?

「隠し部屋はないのか?」

「突き当たりを右。」

「アニメじゃないんだからちゃんと教えろ。」

「めんどくさい〜」

「お前な・・・」

俺はなんとなくこのぬいぐるみを使えば教えてくれる気がしてきた。

「ねぇ、隠し部屋ってぇ〜どこぉ〜?」

「えっとね〜」

――これで教えてくれるだろう。

「さっき歳でいじったからだぁめ。」

「まだ根に持ってたのかよ!?」

「当たり前よ?」

「まぁ、分かるんだけどな。」

「なら早く行きましょ。」

「鍵がな・・・」

「母さんが持ってると・・・」

「あぁ。」

『私も持ってるけど?』

「「あ、そうだった!」」

「沙耶、たのむ!」

『分かってるけど、忘れてたでしょ?』

「ごめん。」

『まぁいいけどさ〜』

「なんだ?」

『後でご褒美頂戴。』

「何をだ?」

『梅干し。』

「食べられないのにか?」

『兄さんに食べさせる。』

「俺は無理だぞ!?」

『嫌そうな顔がご褒美。』

「浩平くん、たのむ!」

「・・・ホントに?」

首を縦に降らせないように抑えた。

『手を離さないと感電させますよ?』

「出来るもんならやってみろ。」

『わかりました。』

「うぎゃ!?」←俺。

「ふぎゃ!?」←大輝さん。

普通にやばかった。

『これでわかった?』

「なんで俺にまで感電させんだ!?」

『なんとなく。』

なんとも言えない俺たちだった。

『とりあえず、行こうか。』

「ふぇい・・・」「はぁ〜い・・・」

『きっちりと返事しないと・・・』

「「はい!!」」

『それじゃあ、行くね。』

なんだかんだで連れていってもらった。

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