静かな毒の中で

この世の端から

普通ってなに?

「私はあなたの物じゃない!」







そう言ってしまえれば楽になれたのか




思い通りに育たなかった


失敗作


役立たず


………使えない



「そうだよね、本当にごめんね」



私を罵り暴言を吐く彼女に


そんな言葉しか返せない私はとっても弱い




なぜ言えないのか



彼女が<可哀想だから>


彼女は<可哀想な人>で<正しいことを言う人>だから



白を黒と言っても

0を1と言っても

甘いものを辛いと言っても


彼女の言うそれは<正しいこと>なのだ


そんな思考で育った私は


無論反抗期もなく


学校では

<真面目でリーダーシップがとれる子>だった


それは彼女が求めていた「私の娘」像そのもの






社会に出て


親になり


やっと知った<普通の世界>は

あまりに衝撃的だった



そして気づいてしまったんだ



彼女が時間をかけて仕込んだ


私への毒に…

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